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雑記ブログ。【歴史を面白く学ぶコテンラジオ_COTEN RADIO】をまとめ、紹介したり、FreeCADを使ったモノづくりについて発信しています。

歴史

まとめ【歴史を面白く学ぶコテンラジオ_COTEN RADIO】 シーズン2 スパルタ

投稿日:2021年1月29日 更新日:


こんにちは、タカオです。

あなたは、コテンラジオをご存じでしょか?
本記は歴史が大好きなパーソナリティ3人による歴史トークラジオ「コテンラジオ」をまとめ、紹介している記事になります。

  • 【まだ知らないあなたへ】この記事を読んで興味を持って貰えたら嬉しいです。
  • 【既に知っているあなたへ】テキストにまとめています。復習やリピートの際に活用して貰えると嬉しいです。

※なお、タカオはコテンメンバーとは関係のないラジオ視聴者の1人です。

【今回紹介しているのはこちら】本編YouTubeで公開しています。


本編動画で学びたい人はどうぞ。
僕も視聴者として楽しませて頂いてます。

今回はシーズン2 スパルタとなっています。
シーズン毎にテキストでまとめているので気になる方はコチラをどうぞ

♦シーズン1 吉田松陰♦
♦シーズン3 コミュニケーション史♦
♦シーズン4 天皇♦
♦シーズン5 キングダムSP 秦の始皇帝♦
♦シーズン6 諸葛孔明♦
♦シーズン7 世界三大宗教♦
♦シーズン8 ヒトラー♦
♦シーズン9 フランス革命♦
♦シーズン10 ガンディー♦
♦シーズン11 アレクサンドロス大王♦
♦シーズン12 お金♦
♦シーズン13 三蔵法師・玄奘♦
♦シーズン14 高杉晋作♦

まさに”力こそパワー”歴史上で最も脳筋の軍事国家スパルタから学ぶのはたくましい男のメンタリティー。

スパルタの様な極端に離れた時代や文化や国の例をみると今の時代との差異を感じやすい。
価値観や常識が違い過ぎて理解納得したり共感は難しいかもしれませんが、今ある社会の通念の規範(いわゆる”普通”)と言われているモノは人としてではなく社会的にそうなのであって、人という所はもう少し自由なんだ。というのが見えてきます。

歴史を知り”受け取り方が多様化される”ことで選択的に思想を選択できる。
今回の学びは善悪で考えがちの現代社会で生きる上でもためになるのではないでしょうか。

#5 スパルタ人の一生 まさにスパルタ教育(21分41秒)

ポイント

  • ギリシャ地域の中にある国の1つ”スパルタ”は歴史上で最も脳筋の軍事国家。
  • 勇敢であることを大切とする価値観を持ち、生まれた瞬間から戦いの中で死んでゆくストイックな生涯を送る

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前回は吉田松陰という一個人に注目してましたが、今回はざっくり【スパルタ】についての内容となっています。
たくましい男のメンタリティーをスパルタから学びましょう。

スパルタとは

皆さんがスパルタと聞いてイメージするのは何でしょうか。
僕のイメージは「スパルタ教育」=根性論の厳し叩き上げのイメージでした。皆さんも似たような認識だったのではないでしょうか。
以下基本情報をまとめます。

  • スパルタとは、国の名前です。(ギリシャ地域の中の1つの国)
  • スパルタ教育とは軍人を育てる教育が語源(スパルタ教育の唯一のカリキュラムは、戦士が戦場で敵を倒すこと)
  • 歴史上で最も脳筋。軍事国家です。

2700位前のギリシャ地域(現在のエーゲ海周辺の島などを含む地域)にギリシャ人という民族が住んでいました。(※当時はギリシャは国ではなく、その地域に住みギリシャ語を話す民族の名前でした)
ギリシャ地域にスパルタ・アテネ・コリントス・テーペ…といた色々なポリス(ポリスとは国のこと)が存在し、その中で有名なのが「スパルタ」「アテネ」

スパルタ基礎知識 【スパルタの起こり】

どのようにスパルタという国が始まったのかについて、
当時、ギリシャ地域に先住民がいて、ギリシャ人が北から来て征服していった。そして、征服していった先住民をある意味奴隷にして自分達をスパルタ市民と呼ぶことで、スパルタという国を起したのが始まり。

ただし、3000年以上昔の話であり、当時は文字が無いので、伝説レベルでしか残っていないそうです。

その後、リュグルゴスという人が登場し、スパルタの教育や憲法の様なものといた、スパルタの基礎や仕組みを作ったそうです。

スパルタ基礎知識 【スパルタの一生】

スパルタ人の特徴(彼らはどう脳筋なのか)について、
彼らの価値観では。戦争で勝つことや勇敢であることが1番大事、戦争に行ったら勝つか死ぬかの2択です。負けて帰ってはいけません。

誕生→7歳→20歳→30~60歳→60~。彼らの主な人生を記します。

誕生

彼らは男として生まれると1番最初に、赤ちゃんの段階で健康診断(審査)が行われます。
この子は将来、立派な戦士になるかどうかという視点チェックされるので、身体が小さな未熟児で生まれたりした時点で奴隷階級に落とされるか、山に捨てられます。
スパルタ人は全員軍人です。
なので、彼らの価値観では、軍人になれなさそうな人はスパルタ人にはなれず、生きる価値が与えられません。
頭が良くても、身体が小さければ許されません。全員ジャイアンしか生き残れない世界観です。

7歳

7歳になると、全員親元を離れバラックと呼ばれる男同士の共同生活が始まります(バラックとは建物のことで、寮生活のようなモノ)
そこでは、布1枚の服以外の物資は何も与えられず、寝る時はテントです。(ギリシャは日当たりが強くて、寒い)
このようなサバイバルが行われるには彼らなりの理由があります。
それは、戦場では極限状態になることがあるので、小さいころからその状態に慣れさせるという目的があります。
それに耐えられず、風邪や重い病になってしまった者は戦士ではないとみなされるので、スパルタ市民から脱落です。
ちなみに、スパルタ人である以上ムキムキでないといけないので、贅肉などだらしない身体をしている場合には鞭打ちの刑や身分を落とされて奴隷にされます。

20歳

20歳になると戦士になることができます。そして、戦争に行っても良い権利が与えられます。
戦争では、集団戦法で戦うので個々では戦いません。重装歩兵が密集形態を築いて隊列を組むチームプレイです。
ギリシャ人はこうした戦法を使うが、それを最も出来ていたのがスパルタ人です。
理由は単純に毎日訓練しかしていないからです。
例えば、他国(アテネ)では戦士として活躍しなくても頭の良い人もたくさん生きています。アテネ人は、戦士以外のポジションを持ち、普段は普通に生活し、戦争になった時だけ戦士として出動するという兼業です。
対して、スパルタは全員軍人として誕生時に間引かれ、7歳から軍人としてエリート教育を受け、毎日訓練しかしていない100%ゴリゴリの専業軍人です。強くなることしか考えていない脳筋です。

30~60歳
20歳でも結婚は出来るが家庭を築けず、家族団らんはできません。
バラックでの全寮制なので自分の家が無いため通い婚のような形で行います。
スパルタ人は全てが、強い戦士になれるかどうかの基準なので、家族団らんは戦士にいらないという考えから、30歳になるまで家庭を持つことが許されません

30歳になるとようやく家庭を持つことが許されます。

60歳~。

60歳になると定年を迎えます
そして、天下り先として終身雇用議員になります。
とはいえ、スパルタには諸葛亮孔明のような兵士をを統括する軍師や隊長のような人はいません。
そして戦士全員がプレイングマネージャー状態です。

諸説あるが、具体的には下記の通り。

  • 王様が共同代表で常に2人いて、彼らが軍事司令官だった。
  • 王様は戦争しかしてはいけないので、政治をしない。
  • 戦場での軍事指揮権しかないので、王様自身が先頭に立って走らないといけない。

上記の通り、ずっと現場で戦っているので指揮官としてはおそらく機能していません。

こうして単純に7歳から訓練している集団戦法で戦い。
彼らの価値観ではどうせ逃げてはいけない。

【まとめ】
生まれた瞬間からサバイバル、戦いの中で死んでゆく。
現代日本では考えられないストイックな一生です。

#6 スパルタでイケてる男の基準!(8分57秒)

ポイント

  • スパルタでは”強さ”が最も重要視されていた。
  • 恋愛観や死生観など、現代の僕たちから見ると異常に感じられことも当時では普通だったりする
  • 当時の人とはそもそも概念、感覚が違うので善悪の判断も全然違う。お互いに完全に理解するのは難しい。

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#5,6と別れてますが、続きです。

スパルタ基礎知識 スパルタでイケてる男

スパルタでイケてる男。それは、デカイ!強い!これだけです。コレがすべてです。
女性の中でもそれがかっこいいとされていたと思う。しかし、当時のギリシャ女性はめちゃくちゃ地位が低かった。そのため、今のように女性がこの男性が素敵なのでこの人と一緒になりたい。みたいなことは無く、勝手に結婚相手を選ばれてしまう。そもそも選択権が有りません。

では、誰が決めるのかというと親が決めたり、政略結婚です。
この男と一緒になれば、子どもは強い戦士に育つだろうという感じ結婚させられます。
なので、男はただ強ければ良かったし、女性も同様に強ければ良いとされていました。
ちなみに、スパルタでは女性も身体を鍛えています。女性は戦争に参加しませんが鍛えます。
理由は、鍛えている母から強い男の子が生まれると思われていたからです。女性も強さがモテポイントでした。

ジャイアン×ジャイ子の世界観です。

現代日本との違い

現代日本では、男女が好きという感情で、お互いを認めって合意の上で結婚しています。
しかし、当時のスパルタでは親が決めているのでハンサムかどうかといった見た目外観はパラメーターでしかなかった。

また、女性は親に決められてしまうが、実は男性側は比較的選べています。
スパルタでは、強さに羞恥心はいらないので、それを捨てるために女性が全裸でパレード(行進)を行います。そこで、女性は男性に選ばれたりしていた。
そして、女性の地位が低いので、男性は複数女性とつきあったりしています。当時ではそれが普通でした。

なので、結婚用・性欲用・趣味が合う…というような感じで別れています。
スパルタはストイックなのであまり分けていなかったかもしれないが、アテネでは完全にそれでした。
アテネ男性は家事をちゃんとして家事がうまくて子育てをしてくれる女性が結婚相手・ものすごく美人な人が性交渉の相手(セフレ)といった価値観。
現代日本の僕たちから見ると異常に感じられるけれど、当時では普通で、現代の会社のように、昔の家庭では適材適所で役割分担されていた。

ちなみに、
一夫一妻制はキリスト教的概念なので、平安時代には光源氏が遊びまくっていたり、近代までは日本でもそこそこ似たような価値観でした。
日本もヨーロッパもそのような価値観で、そうじゃなくなったのはキリストが普及し始めてから、僕らは生まれた時からずっと一夫一妻制で不倫や浮気はダメという中で生活しているけれど、当時の人とはそもそも概念、感覚が違うのでお互いに理解できません。
善悪の判断も全然違います。浮気という概念ではないので普通に楽しんでいます。

現代ではモテるモテないで男女の価値が決まったりしているけれど、当時からしたらモテるって何?モテるじゃ無く便宜など。人間の価値観も色々違います。

死生観の違い

価値観の違いの観点でいうならば、死生観もだいぶ違います。
#5でも記述しているように、スパルタでは勇敢かどうかを大事にする価値観です。

例えば、下記の通り。

戦場で子どもが戦死してしまった時、母親はそこへ行き傷がどれだけ残っているかを見ます。そして、たくさん傷がついていると母親は嬉しい。逆に1回刺された程度で死んでいると恥じになります。

上記のついて解説。
彼ら彼女らにとって死ぬか死なないかは比較的どうでもよくて、勇敢に戦ってたかどうか。
つまり「勇敢かどうかが大事」なわけです。

現代に生きる僕たちにはまず理解できない価値観だと思いますが、自分の息子がグチャグチャになっていた方が良いと思う価値観で生きている。
もちろん死に対して悲しい思いはあっただろうけれど、文化的にそうした価値観で生きているわけです。

だから社会通念上は、結婚とか、モテるという事に対しても今の価値観とは全然違います。

#7 スパルタ人の性事情ー戦争に勝つためのスパルタ式肉欲道 (18分40秒)

ポイント

  • ギリシャでは男性は基本的にバイセクシャル
  • 同性愛にも様々なルールやモラルがあり、そこには確固たる教育目的があった。
  • 歴史を知ると幅広く極端な価値観に出会うことがある。
  • 今の価値観だけで選択や意志決定をしてしまうと、知らない内に生き方や考え方に制限をしてしまう。
  • どうしてもつらい時に「自分が悪いんじゃない。時代(環境)が悪かっただけ」と思えることは1時の救いになる
  • 今ある社会の通念の規範など、全ては相対的なものであり絶対的ではない

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BLが普通だった
前回同様に、これも今の感覚では信じられないけれど、ギリシャでは男性は基本的にバイセクシャルです。
現代では男女が基本でベーシックですが、ギリシャの男性はバイセクシャルがベーシックです。
だから、男性同士で関係を結ぶことがとても当たり前です。
これは、スパルタだけではなくて、アテネなども含めて、ギリシャ人全員です。

女性は?
ひどい話ですが、女性は地位が低かったので子どもを産む為にいるというポジションでした。
当時の女性はそもそもステージに上がっておらず、そういったことも許されていなかったわけです。

日本もBL
実は日本でも戦国時代には男性同士で普通にヤってます。(衆道というのですが)織田信長や森蘭丸などそういう関係にありました。
ギリシャもそれと同じで、美少年は美少女と同じ位にモテていた。
また、アテネでは女性とも普通に生活しているのに対して、スパルタでは7歳からずっと全寮制で男と生活してるので最もそういった文化が栄えていました。

【同性愛ルール】 身体だけ付き合いはNG

スパルタでは、男同士の同性愛を積極的に推奨しています。
【理由】お互いに愛して結び付きが強いほど軍隊として強くなるから=軍事目的。

なので、身体だけの付き合いはNGです。お互いに愛していなければいけない。
男同士でもちゃんと”愛”という概念が成立した状態。つまり「愛して愛の力でパワーアップする」という確固たる教育目的があるわけです。

本当に効果があったのか?

本当に効果があったのかについては、下記のような話があります。

  • テーペというポリス(国)には神聖隊という男同士のカップルだけで構成されている特殊な部隊が存在。全員が男同士のカップルで強かった
  • 強さの理由は魂で繋がっているから?
  • 戦場ではお互いが自分のパートナーを守り、パートナーに自分の良い所を見せようとして一生懸命戦った。

上記の通り、愛あるBL関係は軍隊を強く機能させるのに効果的だった可能性もあったわけです。

【同性愛ルール】 リードする側とされる側

下記の通り、同性愛にもルールがたくさんあったようです。

  • 年齢が離れた年の差カップル(おっさん×少年)も存在
  • リードする側は甘える側になってはいけない
  • 攻守は年齢で決まっている。(年上がリードし、年下が甘える)

上記の通り、年齢によってリードする側とされる側が決まっていた。
要するに、人生の先輩として人間的に引っ張っていってあげられる人はどっちかという事で決まって、ずっとゴロニャンしていたのが、ある日を境に立ち上がるわけです。

ちなみに、皆さんはギリシャ彫刻を見たことはありますか?
上画像はイメージ用にフリー素材からお借りしているモノですが、あなたはアレを見て小さいと思った事がありますか?

実はあの筋骨隆々な身体に対して全部包茎短小なのには意味があります。
【結論】それが良かったからなんです。( ー`дー´)キリッ
諸説ありますが、短小のが上品とされていました。

【同性愛ルール】 プレイで穴を使ってはいけない

上品とはなんぞや?www

常識や価値観が違い過ぎて複雑ではありますが、男同では穴を使ってはいけません。
それがモラルだからです。

  • フェラ・アナルはダメ
  • 男の股を使った素股が1番良いとされていた。

なので、それが崩れている人達は色々やっていました。
つまり、今でいう優等生や上品な人達は素股しかしませんでした。

性に対する考え方も今と全然違うのが分かって貰えたのではないでしょうか。
参考文献の紹介もしているので、気になる人はご自身で勉強して頂いてより理解を深めていただければと思います。

【常識とは何か】 あなたが悪い訳じゃ無い

男女ストレートが普通であると思い込んでいる人は多いのではないだろうか。私も生物として性別がある以上はそれが普通だと思っていました。
しかし、少なくとも当時のギリシャ人達は違うということを知りました。

人の価値観は社会性の影響を受けている
ギリシャ以外の人達がどうだったかといえば、ここまで男同士でやるのが普通ではない人が多数だったので、おそらくギリシャ人は特殊だったのかもしれないけれど、人の価値観は社会性でこれほどまでに影響を受けるのかというのが、今回のコテンラジオを聞いていて驚きというか面白いなと感じました。

僕たちはまだたった数十年しか生きていない。
しかし、その中での常識や当たり前になっている中で様々な価値判断をしています。
同じ時代、現代にいる者同士ですら海外文化に触れた時に自身の持つ常識とのギャップを感じることがあるのに、2000年も離れていたら同じ遺伝子を持つ人間というカテゴリーでも行動が全く違うというのは面白かったです。

おそらく当時のギリシャ人から僕たち現代人がLGBTについ色々議論している所をみると、何を議論しているのか疑問に映るのかもしれません。
「ちゃんと男同士でやれば良いじゃ無いか」と言われてしまいそうです。

当時と現代では常識が違う
ちなみに、皆さんはギリシャの偉人達を知っていますか。(アリストテレス、アレクサンドロス、へファイスティオン…)名前だけ聞いたことがあるという人もいるのではないでしょうか。
彼らはバイセクシャルでした。
しかし映画作品などの中で英雄アレクサンドロスの同性愛を描くと講義が起きるそうです。
とはいえ、アレクサンドロスだけが同性愛をしていないという表現は史実上不自然になってしまう。
要は何が言いたいか、当時と現代では常識が違うということを理解して頂きたいわけです。

歴史を学ぶ意義や面白い所

僕たちはセクシャルマイノリティーの方々を差別的な目でみていないつもりだけれど、世間的にはある。悲しいけれど事実です。
でも、そうやって悩んでいる方々も「いやいや、時代が自分にあっていない」と思うことが出来れば少し楽になるのではないだろうか。

例えば短小包茎で悩む人も当時のギリシャでは「おぉっ」となるわけです。
大事なことなのでもう1度書きます。”自分が悪いんじゃない、時代が悪い”そう思うだけで少し楽になります。

これは歴史を勉強することで得られる楽しい事で、具体的には下記の通り。

  • 今しか考えていない状態だと、今の価値観の中で自分で決めてしまったり、生き方や考え方を知らない内に制限したりしてしまいます。
  • しかし歴史を勉強していると、全然違う幅の広い極端な価値観があり出会います。

少し難しい話になるけれど、今の時代の人達も含めて「今ある目の前のモラルを倫理的に捉えています。」
分かりやすく表現するならば「人として良いか悪いか。そうした捉え方で今の色々な規範ができているわけです。」

例えば下記の通り。

「人を殺してはいけない」今の時代では当たり前ですが、歴史を勉強していると「人を殺してはいけない」というのは社会規範の問題であり倫理的な問題とは切り離されていたりします。

少なくとも当時のスパルタでは「人を殺してはいけない」ということは一切思っていません。
なぜなら、この人達は成人の儀式(通過儀礼)で人を殺さなければいけないからです。
成人の儀式

  • この人達は20歳で戦士になる時に、奴隷の首をもってこなければいけません。1週間何も持たずに服1枚で山に放たれ、その山で1週間生き残らなければいけない。
  • そこで狩りをしたりサバイバルするわけですが、その後は当時のスパルタ国内の奴隷階級の人達の首を切ってもって帰らないといけません。
  • 奴隷達も普通に生活しているわけです。その人達に何らかの方法で近づき、何らかの武器で首を切りそれを持って帰る必要がある。

上記が成人の儀式なので、価値観としては「やっとお前も戦争に出られる。一人前だね。」となるわけです。
今から考えると野蛮で全く理解できないけれど、そういうのが当たり前という社会もあったわけです。

相対評価と絶対評価、社会規範の問題

1000年後の社会から、僕たちを見た時には逆に野蛮に見られているかもしれない。
そういうことを考えると、今ある社会の通念の規範というのは、人としてではなく社会的にそうであって、人という所はもう少し自由である。

賛否両論あるだろうけれど、例えば「人間のクズ」という言葉もそうで、人間としてクズかどうかは社会が決めるわけであって、●●時代の●●地域ではクズというということになるわけで、時代と国とエリアによって全然違う。
つまり全ては相対的なものであり、絶対的ではない

特にスパルタの様な、極端に離れた時代や文化や国の例をみると今の時代との差異を感じやすいですよね。

#8 スパルタ人のグルメーギリシャ一マズイ飯、いかがですか?(5分10分)

ポイント

  • 【ブラックスープ】とは、肉や野菜をぶち込んで煮て喰うだけのまさに脳筋料理
  • 食事に対する認識から価値観の違いが読み取れる。

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彼らはグルメすらも、強くなるかどうかの基準でしかないので徹底しています。
おいしいかどうかはどうでもよくて、強くなれるかどうかが重要。

ギリシャで1番マズイ食事【ブラックスープ】

料理が発達していませんが、食材自体は色々あったようなので「チーズ」「ワイン」などを食べていました。
しかし、今のモノを想像してしまうと全然違います。
そのまま飲めるワインは有りません。メッチャ硬いパンに付けて食べたりしていました。

スパルタで1番有名なのが【ブラックスープ】と呼ばれるモノです。
これが、とにかくマズイらしく、ギリシャで1番マズイ料理で有名。スパルタ人といえば、あのマズイ料理という認知のされかたをしている。

具体的には下記の通り

  • 豚、ヤギ、羊などの肉の塊が浮いている黒い汁
  • おそらく野菜や塩も少しは入れていたはず
  • 野菜を黒くなるまでグツグツ煮込んでそこに肉の塊をぶち込んで煮て食べる。

上記の通り【ブラックスープ】とは、ぶち込んで煮て喰うだけのまさに脳筋料理です。

なんでそうなるの?

まさにギャグマンガのような雑過ぎる料理がなぜリアルで食べられていたのでしょうか。
【結論】食事を楽しんでいないからです。

  • 下ごしらえという概念もおそらく無かったのだろう
  • 単純に栄養摂取が目的
  • そもそも食事を楽しんだり、娯楽を楽しむ事を許されていない。

上記の通り、スパルタだけがそういう極端なことをしていたので他国もどん引きです。
アテネなど他の国では普通においしい料理を食べて楽しんで食事していました。

そして、スパルタには「もてなす」という概念がありません。
戦争に勝った時などで国に招待されると地獄が待っています。
【理由】彼らにとってはブラックスープが最高の料理で王様も喰っているのでこの料理を平気で客に出してきます。

幸せとは何か

これも価値観のお話。
彼らの幸せは

  • 戦争で勇敢に戦って勝つ或いは
  • 華々しく死ぬ事

現代の僕たちからすると

  • お菓子がない、
  • 好みのうまい味付けや料理がない。

上記の様に私たちは毎日の生活に不満を感じるけれど、
当時の彼らからすると料理の味付けがマズイ状態が当たり前です。

つまり、基準となる物差しの単位(基準値)が違うわけです。
なので、幸せを知らずに死んでいくので幸せの基準値が違うだけだよという事を考えると面白いですね。

#9 スパルタとアテネを比較して考えるー脳筋VS頭脳、勝のはどっち?(17分50分)

ポイント

  • 余裕や娯楽遊びの有無は思想活動につながり、結果としてアテネとスパルタは全然ちがう発展の仕方をした国となる
  • 頭の良い人たちが集まってちゃんと議論したからといってそれが「正しい」とは限らない。
  • ギリシャの2大巨頭「アテネとスパルタ」は、外敵ペルシャ帝国が攻めてきた時は一致団結して追い払うことに成功した
  • 外敵が消えアテネとスパルタが衝突。勝利したのはスパルタだったがギリシャ全体の生活が落ちた。
  • 1度は負けたが最終的にはペルシャがギリシャを傭兵として雇う形で頼らせて覇権を握った。
  • ペルシャの思惑やアテネの衆愚政治など、実は同じようなことが現代社会でも社内政治という形で起きていたりする。

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スパルタを知る上でアテネとの比較が分かりやすい。
表にまとめているので参考にどうぞ

比較表 アテネ:スパルタ
【アテネ】【スパルタ】
学術都市軍事国家
海軍国陸軍国
貿易商売上手、経済都市自給自足、鎖国
ストイック
思想活動、散歩トレーニング

上記の表を見て頂けると分かるように、めちゃくちゃ真逆です。
アテネは賢くて、スパルタは脳筋です。デキスギ君:ジャイアンのような対比です。

アテネは学術都市なので、ソクラテスやアリストテレス、プラトンなど皆さんが名前くらいは聞いたことがあるような有名な学者を排出しています。
そして、経済大国でもあるので、経済をうまく活用して色んな収益を得ており、貿易をしていて商売上手の海軍国です。

一方で、スパルタは陸軍国で、鎖国しているので貿易はしません。自給自足で毎日トレーニングの超ストイック集団です。

アテネ人にとっての暇

何度も書いてますが、スパルタ人の幸せは勇敢に戦って死ぬですが、アテネ人は享楽的で楽しみたいので訓練もしません。アテネ人にとっての幸せは暇なことです。

アテネもすごい経済都市で、奴隷がいるので、普通のアテネ市民1人が奴隷を2、3人持っています。
当時でいう働くとは、今でいう企業活動ではないので単純に農作物を育てるなどが労働になります。
そして、それは全部奴隷にさせるので全員ニートで働いていません。
奴隷を使用しているけれど経営する程でもないので、家事をやっといてもらうような感覚です。

余裕と娯楽の有無

アテネ人にとっては暇ことが大事。
【結果】学術都市になっていきます。
要するに、皆が暇でやることが無いので人生の意味を考えて議論し始めます。
暇であることと思想活動というのはダイレクトに繋がっていて、アテネはそうなっていきます。

一方でスパルタは7歳から共同生活で戦士として育てられるので暇が有りません。
ずっとトレーニングしています。散歩もできません。
なぜなら、散歩している=緩んでいる。なので偉い人に怒られる。
要するに、スパルタには「余裕と娯楽」2つの意味で遊びがありません。

こうした遊びの有無で国の発展の仕方が全然違います。

  • 【アテネ】学術都市、経済都市として発展
  • 【スパルタ】軍事国家として発展

上記の通り、全く真逆の国が2大巨頭としてギリシャ世界を牽引していく。

ペルシャ帝国について

少し話しがとびますが、当時のギリシャ世界以外にはどんな世界があったかという話。
大きく、エジプトペルシャというのがありました。(ペルシャ帝国というすごく強いヤツらがいた)

まずギリシャ世界については下記の通り。
ここまで述べてきたスパルタやアテネのある所(都市国家群)です。

  • ギリシャには600~800位のポリス(国)が存在
  • 今でいう国というよりは街という感じ
  • 城壁に囲まれた街なみがたくさんある

上記がざっくりとしたギリシャ世界の風景です。

一方で有名なエジプトこれはピラミッドのあるエジプトという文化圏を築いていました。

そして、もう1つペルシャ帝国というのがある。

すごいぞペルシャ帝国

ペルシャ帝国とは、簡単に紹介すると下記の通り

  • 海(エーゲ海)を隔ててギリシャの横の方に位置する
  • 人類初の多民族国家
  • 当時世界史上最大の広大な地域を治めていた帝国

上記の通り、このペルシャ帝国というのがすごい。
人類初の多民族国家で色々な民族を統治しています。

今の日本でいう県知事のような存在を初めて創ったのがペルシャ帝国(サトラペ)。
つまり行政として中央集権国家を作ろうとした時に、それをどうやって構築してくかを1番最初に考えたのがペルシャ帝国です。

具体的には、自分と違う民族を治めていかなければいけないので、この人達に知事のような人を中央から派遣して配置し治めさせるという方法をとっていました。
ペルシャ帝国は全て中央から派遣するという統治方法を初めて確立し、当時世界史上最大の広大な地域を治めていました。

そんなペルシャ帝国がついにギリシャに攻めてくる時があり、その時にスパルタとアテネは手を取り合って一緒に戦って撃退する。
というのが次のお話。

【ギリシャの覇権を握るのは誰?】ペルシャVSギリシャ(アテネ&スパルタ)

アテネとスパルタはずっと仲が悪かった。
なぜなら、全然違いすぎるからです。

アテネ

スパルタの人ってめちゃくちゃ野蛮じゃん

スパルタ

アテネの奴らってめちゃくちゃ貧弱だし変人だよな

上記の通り、学術経済国家と軍事国家なので互いに理解できない所もあるわけです。
しかし、この2つは外敵が来たら一致団結して追い返すということをが2回程度ありました。

2回共一緒に追い返しているので、その時は仲良くなるがその後めちゃくちゃ仲が悪くなる。外敵が居なくなって内紛のような感じになるからです。

【ギリシャの覇権を握るのは誰?】アテネVSスパルタ

外敵がいなくなると今度は、アテネとスパルタどちらがギリシャ世界の覇権を握るかを争い始めます。
【結論】この戦争ではスパルタが勝ちます。

ラジオ視聴時の僕はアテネのが賢くて勝ちそうな気がしていたので意外な結果でした。

2国の力関係としては下記の通り

  • 【アテネ】経済大国なので貿易などにより他国にも経済的に寄与していた。
  • 【スパルタ】鎖国していたので自国だけで完結しているという状態

この結果には色々な要因があるので、以下見ていきましょう。

【アテネが負けた要因】衆愚政治

民主制

当時のギリシャは民主制です。
実は2500年位前には民主制が確立していました。
なのでギリシャでも国民全員で政治を決めています。

  • 【スパルタ】王様が居ますが議会があるのでそれで決められる。立法も議会でします。
  • 【アテネ】民主化が進んでいて王様が居ない状態。

脳筋スパルタの民主政治とは

アテネもスパルタも民主制なので議会で決めます
しかし、スパルタは脳筋で議論ができません。

具体的には下記の通り。

  • 民主制なので「戦争に行くかどうか」王様が決めるのではなくちゃんと議会で決めます。
  • しかし決める時には議論ではなく物理的な声のデカさで議論が決まります。

例えば、議会で最終的には「これでどうだろうか?」といったように皆に質問します。

議会

Q戦争に行きますか?

市民

わぁーー!!(=行くぞ)

市民

シーーン…。(=行かない)

上記の通り。「戦争するかどうか」質問に対してスパルタ市民が声を出して「ワーー!!」となったら行く。「シーーん」となったら行かない。
【結論】議論では無く多数決に近い民主政治をしています。
とはいえ、スパルタでは戦争に行かないと臆病なので大体いきます。

アテネはちゃんと議論する

一方でアテネではちゃんと議論して決めます。
同じ民主制でも全然違う決め方をしているわけです。

ではなぜアテネが負けたか。
【結論】衆愚政治に陥ってしまうからです。(大衆が愚かになってしまう政治という意味)

過程(背景)としては下記の通り。

  • 当時アテネはペルシャと戦う為に海軍を整えた。
  • アテネはペルシャ軍が攻めてきて追い返した後に全盛期を迎え色んな文化が発達。
  • 経済的にもすごく満たされ一時栄華を極めた。

上記の通り、海軍を整えたことでアテネは貿易を安全に出来るようになります。
【結果】海(エーゲ海)を使って海軍に守られながら貿易が出来るので、アテネで作った特産賓や他国の特産品を交換する貿易が発達。

貿易が最盛期を迎えると超金持ちになり文化も発達。
栄華を極めます。

国民のメンタリティーが保守的に

栄華を極めた国民のメンタリティーは「この状態を維持したい」となりました。
これは、歴史上全てがそうなのですが1回栄華を極めるとチャレンジ精神が無くなって保守的になってきます。

そして保守的になると、不安をあおる政治家が尊ばれるようになる。
なぜかというと下記の通り。

出現

「今の自分達はこんなに栄華を極めているけれど、今●●にこんな国が出てきていて、そいつらは自分達にとって驚異なので早めに潰しましょう」

上記のようなことを言い出す人が現れます。
そして周囲も「確かにそうだな」と思ってその人達に寄っていってしまう。という状態が発生するわけです。

正しい決断とは

保守的な人たちがしていることは「何か新しいモノを作ったり、何かを積み上げて価値を出す」というわけではありません。
「ただ恐怖を煽っているだけ」です。
【結論】アテネ市民はそっちへ吸い寄せられていった結果アテネにとって本質的に良い決断が出来なくなっていきました。

  • 頭が良いひと達が集まって経済大国になった
  • 民主制もスパルタより確立している

にも関わらず「正しい決断」が出来なくなっていくわけです。
【結果】スパルタと戦った時にアテネの海軍が全く機能しなかった。

アテネの中で内紛や政治の足の引っ張り合いばかりししまい、対外敵に力を全然発揮できない状態がアテネで起きてしまったわけです。

一方でスパルタは脳筋なので、ある意味では最初から衆愚政治で正しい決断はできていない。
しかしそれ以上にすごくダメにもなりません。

【アテネが負けた要因】ペルシャがスパルタへ資金援助

アテネが内部でごたついている間に、実は裏ではギリシャに負けたペルシャがスパルタに資金援助していました。
具体的には下記の通り。

【ペルシャ帝国】

  • ギリシャに負けたことは屈辱
  • いつかリベンジしてやろうと闘志を燃やしていた。
  • けれど1度負けてしまっているのですぐには攻めることができない。

上記の課題に対してギリシャは「アテネとスパルタが結託して2大巨頭で栄華を極めているので仲間割れさせたかった。」
ペルシャはそこに勝機を見いだします。

  • スパルタは軍事国家でお金を持っていなかった。
  • スパルタはお金を稼ぐ力がないけど軍事力はあるのでお金さえあればなんとかなる。
  • 一方アテネはお金があるけれど衆愚政治により内部で全然意見が一致しないのでどんどん崩れている。

上記の通り、ペルシャはスパルタに資金援助してアテネと戦わせようとするのですが見事にその通りになります。
この状態でスパルタとアテネが戦った結果スパルタが勝ちました。

【ギリシャの覇権を握るのは誰?】最後に笑ったのはペルシャ

衆愚政治でボロボロのアテネに、援助で底上げしたスパルタがぶつかる。
結果。スパルタが勝つ。

上記はペルシャの思い通りの展開です。
具体的には下記の通り。

  • スパルタの勝利=スパルタがギリシャ世界の覇権を握るということ。
  • スパルタは軍事国家で軍隊のことしか考えていない、外交も出来ないし経済について何も考えていない脳筋

上記の結果、これまでアテネが貿易で繁栄させてきたギリシャ世界全体の収入が下がりギリシャ全体で全員の生活が苦しくなります。

ギリシャ人は重装歩兵として強かったので皆傭兵になっていきます。つまり出稼ぎの軍人になっていくわけです。

Q出稼ぎ軍人(傭兵)となったギリシャ人たちを誰が雇うのか?
Aお金を持っているペルシャが雇います。

要は、植民地に近い考え方で「相手をつぶして、頼らせて、飼い慣らして」いくわけです。

会社組織とアテネの類似

スパルタが覇権を握った結果、ギリシャ全体が落ちて、そのままギリシャがダメになっていきます。
そこで、トップを潰して権力に犬にして、権力で飼い慣らすということ。

組織や会社も同じで、最初の方は皆ちっちゃいので一生懸命まとまって頑張るけれど、だんだん企業が大きくなっていったり、利益、売上が上がってくると、今度はどそれを守ろうとする。

これまで、外に向いていた矢印が内側に向いてしまい、社内政治が始まったり、意志決定が出来なくなっていきます。
結果、本質的な意志決定ができなくなる。

出る杭が打たれたり、人間組織の構造的な習性であり欠陥です。
同じようなことが、現代社会でも色々な所でおきています。人間が悪い訳では無いけれど、なるようになっています。

#10 アテネはどうすればスパルタに勝てたのか?頭脳が脳筋に負ける時(11分43秒)

ポイント

  • 「それがマッチしているかしていないか」が大切。
  • 色々なものを積み重ねるた相互作用によって、人間社会であるとか組織,個人の挙動は常に変化する社会現象
  • 人は答えを求めがちだけど、求めるべきは最適解

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答えなんてあるのかよ。
ギリシャという国がじゃあどうすれば良かったのだろうかというお話。

社会制度の一長一短 大切なのはマッチング

色々な歴史や社会制度を勉強すると、どれも一長一短であることがわかる。
例えば下記の通り。

  • スパルタの民主制
  • アテネの民主制
  • ローマの共和制
  • 日本の幕藩体制

上記にはそれぞれに必ず、良い所と悪い所がある。
そしてある時に外的要因がそのメリット、デメリットにマッチして伸びる。
当たり前だけど、いい方向にも悪い方向にもマッチすることで伸びます。

外的要因によって変わる環境

Qではなぜギリシャが崩れていったか?
Aペルシャ帝国が攻めてくることによって状況が変わったからです。
【極論】それが無ければ、おそらく別にどうでも無かった。

つまり、前回の吉田松陰でいう「日本に黒船が来ちゃった」と同じなわけです。
外的要因によって、これまで持っていたメリットデメリットを活かせないような環境に変えられてしまった。
だからダメになっていくんです。

要するに、組織というのは外の世界が現状のままなら現状維持でも問題ない。

内部破壊装置を持っておこう

生物の進化論と組織は実は全く同じ。
Qじゃあ何をしなければいけないか?
A自分達で自己変革する力を付けなくてはいけない。

例えば、下記の通り。

  • 今の意志決定のプロセスだとか
  • このポジションにこの人が居るよね
  • こういう人が居るよね

上記のような”構造”を定期的に破壊する装置がを内部に持っておかなければできない訳です。
つまり、システムエラーを意図的に起し続けることが大事。

ちなみに、今の民主制にはちゃんとそれが織り込まれています(単純に内閣の選挙で、その政権を引きづり下ろす装置がある)

これは、歴史を勉強した人達が理解してその装置をつけている。
しかしそれも一長一短です。
なぜなら本当に優秀な人がずっと政権を握っていた方が本当は良い。
それでうまくいった例もある。

とはいえ現実はそうならない。だから新陳代謝があったほうが環境変化に対応しやすいので、
Q結果的にどうすればよかったか?という
A最初の問いに答えるとするなら内部破壊装置を持っておく
となるわけです。

とはいえ実はそれも難しい。
なぜなら、内部破壊装置が適切なタイミングで働く必要があるから。

歴史に学ぶ教訓 普遍的な公式

スパルタとかアテネという実例から、一般的、普遍的な、教訓や公式が見えてくる。

その見えてきた普遍的な公式を「現代社会や学校組織(クラスでの出来事)など様々なケース」に当てはめて、何か応用できる感覚は歴史の面白い所です。
それこそ会社経営などをしていると、国の衰退とか栄華みたいなモノを完全に会社に置き換えて考えることができてかなり適応できます。

ステップアップから大企業への過程におけるマインドセット

パーソナリティの深井さんが歴史の学びが会社経営に生かされた経験などを語ってくれました。

  • ベンチャーなど革命初期に必要な人
  • 合理的な仕組作りができる中期に必要な人
  • さらにそれを維持する後期に必要な人

上記の3段階における有能な人はそれぞれに求められるスキルやマインドセットが全然ちがいます。

【革命期】ベンチャーの初期段階

たとえばベンチャー企業を初期に立ち上げて行く時に必要なスキルやマインドセットというのは、何もない所から始めるのでパワフルさという面ではスパルタや、吉田松陰です。
すごくエネルギーが必要で、理想も高ければ高いほど良い。

彼らは合理的じゃないので、めちゃくちゃ言ってやろうとして失敗したりする。
でもそういういメンタリティーは、何かをクリエイトする時の1番最初のスタートダッシュとしてはめちゃくちゃ必要。

もし吉田松陰が「合理的で黒船なんか絶対断わられるからダメだろう」みたいなことをしてたらその後に何も起こりません。
そういう意味ではベンチャーの初期段階というのは、こうしたある意味ぶっ飛んだメンタリティーをもった人がどーーん!!と進めた方が良いということが歴史上から分かりやすく結果が出ています。

【中期】合理的な仕組作り

そしてその次のステップというのがあって、歴史上の政治組織や経済団体は次のステップとして仕組化しないといけない。
たとえば属人社長が自分の力で成功させたことを、今度は社員が再現できるようにしたり、組織全体がそれをできるような状態を作らないといけないわけです。

この時点では合理的な判断が必要で、ここでまだ夢を追い続けていると組織崩壊してしまう。
そういう意味では「仕組作りで有能な人達が必要」

そしてその有能な人達のメンタリティーがスパルタや吉田松陰とは全然違うわけです。

【後期】維持して仕組をしっかり回せる冒険しない人

後期に必要な人達は、維持して仕組をしっかり回せる人達です。彼らはとにかく冒険しなくて良い。
逆にこの人達が変な夢をみてもっと改革してやろうとすると、この人達は維持していければ良いのに維持されずフィニッシュして壊れる。
こうした例も歴史的にあります。

そういうのがうまくピースがはまった時に江戸幕府のような長期政権が確立されたりします。
おそらく江戸幕府は成功例です。

  • 家康がうまくそういうふうに設計した
  • 外的要因がたまたま無かった

上記の通り。
色々なものを積み重ねると相互作用によって、人間社会であるとか組織であるとか個人の動きというのは結果としてしてそういうふうになっていく。
【結論】社会現象です。

大切なのはマッチング

歴史を勉強していると「マッチしているかしていないか」の概念がすごく生まれる。
こうした学びから、物事を倫理観で捉えないことを大切にすると良いのかもしれません。

つまり「こういいうやりかたは良いとか悪いとか」そういったことを考えないということ。
例えば下記の通り。

部下を大切にすること

たとえば、「部下を大切にすること」
これは確かに良いことだと思います。
でも倫理観では捉えない。

倫理的に良いからそうするかしないかの話とするならば、
部下を大切にすることがマッチしている時代や組織もあるだろう。
スパルタでも大切にしているけれど、ある意味では人権が無かったわけです。

それを今に適応したら全然ダメだけど、こういう考え方の時代もあったわけです。
そして一定のその環境下においてはうまく機能していた時もあったのも事実。
なので「まあそうだよね」程度には思えばいいかなという感じです。

年功序列

他にも「年功序列」などもそうです。
今の僕たちはそれを悪いように捉えがちだけれど、当時の産業構造と時代、メンタリティーからすると年功序列で良かったわけです。
人口能動態的にも若い人が多かったのでそうしておいた方が都合が良かった。
逆に成果主義では全然ダメでだったわけです。

まとめ
今の1点だけを見て「それが良い、悪い」を判断するのではなく。

壮大な時間軸の中でみた時に

  • それがマッチしているのかどうか
  • それがなぜマッチしているのか、いないのか

上記の通り、物事のとらえ方が出来るようになると
経営に役立つのはもちろん、善悪で考えがちの現代社会で生きる上でもためになるのではないでしょうか。

#11 草食系男子がスパルタ漢にお悩み相談するとしたら?(12分24秒)

ポイント

  • 歴史上の人に質問すると概念が違いすぎて、すれ違った回答が返ってくる。
  • 物事の受け取り方が磨かれるという意味では歴史を知ることが生活の役に立つ
  • 比較することで理解が深まり、選択的に思想を選択できる。

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【架空お便りのコーナー】
架空のお便りが来ているという体で、スパルタの方々に悩みを相談していくというコーナーです。

【ラジオネームスパルタンX様】
スパルタ市民の皆さんこんにちは。
僕は子どものころから太っており昔はコロコロしていてかわいい等を言われていましたが、最近は同級生に彼女が出来始め、改めて鏡をよく見て初めて自分がデブであるという事に気づきました。
当然彼女できず悩んでいます。
ダイエットに挑戦したこともあったが筋トレ・ジョギング・食事制限。何をしても続きません。
そこでスパルタ市民の皆さん、何かお勧めのダイエット方法はありますか?
あと、デブについてどうお考えですか?…(一部省略)

回答編

デブについてどう思いますか

そもそもスパルタではどういうふうに見られていたかというのは、
おそらく「デブは居なかった」
なぜなら鞭打ちだからです。

1週間に1回みんな裸になってどれだけ完成された肉体を築いているかを見せつけないといけないのですが、そのときに贅肉が付いていたら鞭打ちです。

またそもそも食事がまずくて基本的に皆飢餓状態です。
充分な食事が与えられていないので、ご飯が足りなくてずっと空腹の状態。

なので「デブについてどう思いますか」という質問はチャレンジャーな質問となります。

男として、戦士として強くなれ

スパルタの考え方でいうと、彼女が出来るか出来ないかでダイエットするのはまずダメだと思います。
モテようとしているのがダメで「強いか強くないかが重要」

なのでまずは男として、戦士として強いかどうかを変えないといけない。
痩せるではなくて、強くなるかどうかです。
(強さ>モテる)モテるとかどうでも良いです。

歴史上の人に質問すると、概念が違いすぎて、絶対にすれ違った回答が返ってきます。
スパルタ人はデブを見たことが無い可能性がある。
そもそも彼らにデブという概念が無い可能性があるのでデブについてどう考えるかじゃなくて、それ以前に考えられない可能性があります。

スパルタじゃなくて、アテネに同じ質問を場合

モテないならモテる所へ旅をしなさい。ありのままの自分が認められる場所へ。自分を変えるのではなく、環境を変えなさい。

どうせスパルタに来ても死ぬだけです。

エンディング

歴史の授業において、僕たちはアウトプットをイメージせずに勉強だけしている。
だからただの勉強になってしまうのではないだろうか。

授業で習ったことを”社会生活に生かせるか”という風に考えることというのは、勉強の1つの糧になると思う。

今回の話は「会社の経営やモテるためにどうとか」何かしらの今のリアルな自分の生活にあてはめて生かせるイメージができたのではないだろうか。

特に歴史を学ぶことは、アウトプットにも生きるけれど学ぶことでその情報の受け取り方が変わります。
歴史を知ることで、自分のアウトプットがブラッシュアップされるとうよりは、受け取り方が磨かれるという意味で、すごく生活の役に立つと思います。

例えば、

  • めちゃくちゃムカつく人がいたとして「こいつ歴史上のあの人物と同じだな、こんな嫌な経験をしたのかな」といったように相対化したり。
  • 上司がめちゃくちゃな事を言っていて全然理解できない時には「歴史上のあの組織やあの人達も、この人も全然分かりあえていなかったなぁ。その構図と自分達と今一緒なのかな。」

上記のように”受け取り方が多様化される”という意味で役に立ちます。

比較することで認識できることがある

パーソナリティのコテンチーム内ではそれを相対化するという表現をしているのだけれど、

  • 今の時代だけに生きて、今の時代の1現象だけを見て自分達をポジショニングしていく(つまり、自分はこんな人間だとかこの人達ってこんな人間なんだって思う状態)
  • 3500年分くらいの歴史を勉強したり、何らかの形で知っていることができれば、その状態の人達と比較して自分達を位置づける。

上記2つの違いは大きい。

なぜなら「知らなければ僕たち生きている者同士でしか比較できない」
なので既に亡くなっている人達と自分を比較できると幅が広がりやすくなる。
つまり理解が深まるということ

極端な例でいうと、1つしか知らなければ先入観で物事や相手を判断することになるので差別や偏見に繋がる。
一方で色んな見方ができると、1歩引いた目線で客観的に物事や相手を理解できるので、そこから色々考えて自分はどの考えでいくのかその行動を取るのかという選択的に思想を選択できる。

【結論】正しいか正しくないか。善悪ではなくて、全ては選択であるということ。

まとめ及び感想

学生時代には日本史を選択していたので、世界史を学べたのは非常に面白かったです。
学習という側面からみて、数学や理科といった科目というのは僕たちの生活に直結していて、学習することで生活が豊かになるイメージが沸きやすい。
その一方で、歴史というのは自身の生活に直結する機会が少なく、勉強の為の勉強。或いは個人的な趣味の範囲と捉えられがちだったように思います。

今回の話では会社経営のマインドセットやメンタリティー、今あるモラルを倫理的に捉えがちな僕たちのリアルな生活に活かせるんだという内容になっており、ただ楽しいだけでなく意味る有意義な内容となっていたのではないでしょうか。
今回紹介しているコテンラジオや、当ブログをみて頂いている方の中から、少しでも歴史に興味を持って頂き、そこからの学びを通して人生がよりよいモノとなれば幸いです。

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参照先へhttps://www.valuebooks.jp/shelf-items/folder/9c2ae485998d4d9

最後に

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最後まで、ご覧頂きありがとうございます。
以上で「コテンラジオ シーズン2 スパルタ編」のまとめとなります。いかがだったでしょうか。
動画にして1時間36分25秒の内容をまとめてあるので、かなり長くなってしまいました。今後も長くなりそうなので、皆さんんが見やすいように少しづつ改善できればと思います。

今回、テキストで見て改めて視聴されるリピーターのあなたも、
当ブログにて、初めてコテンラジオを知ったあなたも、皆さんの人生を少しでも好転させるきっかけとなれば幸いです。

内容や要点だけ時短で理解したい人や、聞くだけでは理解しづらくて、何度もリピートした経験のある人向けに今後もシーズン毎にまとめて紹介しようと思っています。宜しくお願い致します。

シーズン毎にテキストでまとめているので気になる方はコチラをどうぞ

♦シーズン1 吉田松陰♦
♦シーズン3 コミュニケーション史♦
♦シーズン4 天皇♦
♦シーズン5 キングダムSP 秦の始皇帝♦
♦シーズン6 諸葛孔明♦
♦シーズン7 世界三大宗教♦
♦シーズン8 ヒトラー♦
♦シーズン9 フランス革命♦
♦シーズン10 ガンディー♦
♦シーズン11 アレクサンドロス大王♦
♦シーズン12 お金♦
♦シーズン13 三蔵法師・玄奘♦
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おすすめの映画作品の紹介記事があります。気になる方は以下からどうぞ
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