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雑記ブログ。【歴史を面白く学ぶコテンラジオ_COTEN RADIO】をまとめ、紹介したり、FreeCADを使ったモノづくりについて発信しています。

未分類 歴史

まとめ【歴史を面白く学ぶコテンラジオ_COTEN RADIO】 シーズン7 世界三大宗教

投稿日:2021年4月11日 更新日:

こんにちは、タカオです。

あなたは、コテンラジオをご存じでしょか?
本記事は【歴史を面白く学ぶコテンラジオ_COTEN RADIO】をシーズン毎にまとめ、紹介している記事になります。

テキストにまとめているので、気になるけれど聞く時間がない人の時短になります。
また、既に聞いたことがあるけれど耳だけでは理解しきれなかったという人にもおすすめです。

  • 【まだ知らないあなたへ】この記事を読んで興味を持って頂けた際にはぜひ、本編動画をご視聴下さい。なおPodcastでも配信しています。
  • 【既に知っているあなたへ】テキストにまとめています。復習やリピートの際に活用して貰えると嬉しいです。理解を深めて解消しましょう。

※なお、タカオはコテンメンバーとは関係のないラジオ視聴者の1人です。

【今回紹介しているのはこちら】本編YouTubeで公開しています。

動画で確認したい方はどうぞ
収録の様子が見られるので、普段はPodcastで聞いている方は動画で見るのも面白いかもしれません。

シーズン毎にテキストでまとめているので気になる方はコチラをどうぞ

♦シーズン1 吉田松陰♦
♦シーズン2 スパルタ♦
♦シーズン3 コミュニケーション史♦
♦シーズン4 天皇♦
♦シーズン5 キングダムSP 秦の始皇帝♦
♦シーズン6 諸葛孔明♦
♦シーズン8 ヒトラー♦
♦シーズン9 フランス革命♦
♦シーズン10 ガンディー♦
♦シーズン11 アレクサンドロス大王♦
♦シーズン12 お金♦
♦シーズン13 三蔵法師・玄奘♦
♦シーズン14 高杉晋作♦

今回のテーマはズバリ「宗教」です。

デリケート過ぎて、迂闊には語られる機会が少ない宗教について、世界三大宗教(キリスト教・イスラム教・仏教)を軸に語って頂いてます。

そもそも宗教とは一体何だったのか。
一筋縄では理解出来ない、非常に難しいテーマではありますが、だからこそ興味深くて面白いと思います。
習慣として身に付いている部分など、神様に対する信仰心の有無だけでは語れない領域が混ざっていて、僕たちの生活に密接に関わっていたりすると思うので、この機会にぜひ考えてみてはいかがだろうか。

現在だけでも世界の半分近くに影響力を与えている「宗教」は、過去の歴史も積算すると相当な人数に影響を与えており、人類史上最も影響を与えているといっても過言ではない。
世界三大宗教を軸に、「どんな人物が・どうしてこれほど影響力を与えていくのか」深掘ります。

本記事を最後まで読み、宗教について学んだ時、あなたもきっと「なんで?・どういうこと?・どう解釈しよう?」一筋縄では理解出来ない、非常に難しいテーマであることが理解できるでしょう。

※本記事は「シーズン4 天皇」同様に、「からかいや、否定」といった批判的な意図はございません。「客観的に理解・勉強してみよう」というスタンスで大らかな気持で読んで頂ければと存じます。

#32 世界三大宗教を創ったレジェンたちのぶっ飛んだ生涯!(約16分)

ポイント

  • 宗教は超長期間、圧倒的大多数の人類に対して最も影響を与えている価値観であるといっても過言ではない。
  • 宗教の「デリケート具合」は「譲れない価値観」からきている。
  • 宗教は精神への根ざし方が強く、死生観など人(人間性、過去、今など)としての根本的な存在意義に関する価値観であるため「譲れない」
  • 世界三大宗教の創始者達は社会的成果を目に見える形で残して居らず、思想を司る活動によって人類の精神に影響を与え、当時の既成概念を覆している所に特徴と共通点がある。

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世界三大宗教の基本情報について

まずは、三大宗教の信者数や創始者、誕生地域などの基本情報について
以下、表にまとめたので確認しましょう。

キリスト教イスラム教仏教
教祖

・イエス・キリスト

・イエスが名前です

・キリストは救世主という意味

・ムハンマド

・ゴーダマ・シッダールタ(仏陀と呼ばれている)

・ゴーダマ・シッダールタが名前です

・仏陀とは固有名詞ではなく、悟った人という意味

信者数、規模

・22億人

・世界の三分の一がキリスト教徒であり1番布教に成功している宗教

・15億人

・あと何十年かでイスラム教の方が多くなると言われている

・4億人

地域

・ヨーロッパ

・アメリカ大陸、南アフリカもキリスト教化しつつある

・ユダヤ人であるイエスが起源なので、今のパレスチナから始まった

・アラビア半島

・人口が増えている国が多く、東アジアで盛ん

・インドネシア、中東のイメージが有るが意外とアジアにも普及している

・インドが起源(正確にはネパールかインドと言われている)

・東アジアが中心

・東南アジア、タイ、中国、日本、チベットなど

創始者3人の世界に対する影響力は半端なくデカイ。
全ての信者数を合せると約40億、世界総人口が約76億と言われているので世界の半分の人に影響力を与えている。さらに、これらは現在の数字であり過去の歴史も総和すると相当な人数になる。
そして人数だけでにあらず、それを否定されると自分自身が否定されのと同義に感じるという意味では最も尊敬されている人達でもあるわけです。

そんな創始者3人は「どんな人物だったのか」「どうして、これほど影響を与えていくのか」という所を各回(エピソード#)毎に個別具体をもって見ていきます。

【何でそうなった?・どういうこと?】いわゆるカリスマ、オーラと呼ばれている現象

既に述べたように、かなり影響力が大きい。

その要因の1つは「課題」のきり取り方が上手かったからではないだろうか。
要は、何千年も続いているということは、それだけ長い期間において人類に対して不変的なニーズがあったということである。人類は課題や苦悩をずっと抱いてきたわけです。
彼らの凄さは、そこに着目している事に加えて、それを言語化している点で凄い。

なので、普通の人間を解釈する思考回路では理解出来ないようなことが多かったりします。
要は、ロジカルシンキングで理解しづらい所が出てくるので「なんでそうなった?、どう解釈しよう?」となる。

例えば
キリスト教を広めたのはイエス自身ではなくて、弟子達が広めています。
イエスが生きている間に弟子達は彼を裏切っています。裏切っているのに、イエスの処刑後に全員が命がけで広めていったりしています。
→キリストの中では、その理由がちゃんとあるのだけれど、一般的に歴史的解釈をしようとした時に「なんで?どういうこと?」となるわけです。

いわゆるカリスマ、オーラと呼ばれているモノがあったのではないだろうか。
出会って数分で、相手の人生が根本から変わっています。

以下、各回(エピオード#)毎に分けて1人づつ個別具体を交えて深掘りしていきます。気になる方はどうぞ。

#33 イエスはなぜ政治犯として処刑されたのか?(約14分)

ポイント

  • キリスト教とイスラム教は、元々ユダヤ教から派生した宗教であり、同じ神様をルーツとしている。
  • もともと人類の宗教では多神教がスタンダードで、ユダヤ教のような一神教は特殊でマイノリティな価値観とされていた。
  • 33歳という若さで処刑されたイエスは、もともと身分の低い日雇いの大工(肉体労働者)であった。
  • ユダヤ教の厳しさに対して愛が大事とする点に彼の特異性があり、被差別民に対して優しくしていた。
  • イエスの布教活動は1年程度で、範囲も徒歩圏内で半径10~100㎞程度と広くない。

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今回はそれぞれの宗教を掘り下げていきます。

まずは、言わずと知れた最大宗教キリスト教について見ていきます。

早速ですが、そもそもイエスはキリスト教の創始者というよりはユダヤ教徒です。
キリスト教とイスラム教は、元々ユダヤ教から派生した宗教なので同じ神様(ヤハウェ)をルーツとしています。

そこでキリスト教を知るために、まずは以下ユダヤ教について確認していきましょう。

ユダヤ教について

ユダヤ教は唯一絶対神がいるという特徴を持っています。要は、一神教で、全ては1つの神様が全部創っているという考え方を持っているわけです。

今の世界ではキリスト教(22億)とイスラム教(15億)が圧倒的に広がったことにより、世界の半分が一神教になっているけれど、仏教やローマ神話・ギリシャ神話・北欧神話など、古代の世界では多神教がいわゆる普通でした。
要は、元々人類の宗教発祥のスタンダードは多神教であり一神教は特殊でマイノリティだったわけです。

【ユダヤ教の厳しさと、イエスの特異性について】
ユダヤ教は一神教という当時ではマイノリティで特殊な考え方から始まっており、凄く厳しいという特徴を持っていました。
要は、神様は厳しく神が言っていることを守れなければ罰せられるというようなことが旧約聖書には書かれており、畏れながら神の言うことを守り生きて行くことで神が愛してくれるというような概念です。

これに対して、イエスは「神様はもっと愛情深くで、そんなに厳しくないんじゃない?」ということを言うわけです。

厳しさではなくて愛が大事だという所に、イエスの特異性があります。
なぜならイエスはユダヤ教徒として生まれて、ユダヤ人としてユダヤ教を信仰しているのに、凄く厳しいユダヤ教に対して神の愛は深いという話をしているわけです。

そして、悪い事をしたら悪いことが起こるという叱る系でハードマネジメントによりユダヤ人しか救われないという概念から、ユダヤ人だけでなくて神の愛は全人類に注がれているという概念に変わっていくきっかけとなるのがイエスです。

イエスの謎エピソード集

イエスについての資料はほとんど残っておらず、イエスが亡くなってから100年後位に書かれている聖書がメインです。

聖書も歴史学的知見から見ると全部が事実ではないため、確実に言えることは「イエスはユダヤ人だということ」「処刑されたということ」くらいです。

それ以外については「おそらくそうだろう・確実に違うだろう」というということしか残っておらず、客観的史実のような書が残っていない。

そして当時はまだ97%が読み書きが出来ない時代なので、口伝・言い伝えでしゃべりによって伝えている状態になります。

以下、イエスの謎エピソードを表にしたので確認しましょう。

具体
大工スタート

・30歳まで普通の人だった

・日雇い大工の肉体労働者だった(社会的地位は低い)

ヨハネに弟子入りしてライジング

・ある日突然大工を辞めて洗礼者ヨハネに弟子入りする

・そこでヨハネの右腕のようなポジションまでいく

布教活動

・布教活動は1年位

・徒歩で布教しているので、半径数十~数百㎞程度(村を回っていたイメージ)

処刑・33歳の時政治犯として処刑されている

イエスは政治犯として処刑されているけれど、実はその理由が分かっていません。

なぜわからないのかを理解するために以下、時代背景から確認していきましょう。

時代背景

まず当時のイスラエルやパレスチナの辺りがどういう状況だったのかというと、ユダヤ人が住んでいました。
しかし、ユダヤ人は独立できない状態にあってローマ帝国に支配されています。

ローマ帝国が直接支配しているのはユダヤ人のユダヤ教の祭祀であり、政治的指導者であるごく一部の人達である。
要するに、政治的指導者達がユダヤ人を支配している状態。

なので、支配されているユダヤ人からすると、同じユダヤ人だけどローマの犬になっている人達なので腹が立つ。

イエスはこうした人達に対して反旗を翻すと思われ処刑されます。
要は、ローマ帝国と今の支配者層に対して脅威であると認識された結果、政治犯として十字架に架けられるわけです。

しかし、イエスは愛の話をしてるのに政治犯とし処刑されている。
それくらい、愛の話をすることが政治に影響すると思われていたということです。
要は、当時の支配者層が大事にしていたユダヤの常識を覆す言動であり、それを認めると自分達の支配基板が覆ってしまうわけです。

ユダヤ教とイエス、それぞれの考え方について

以下イエスの言動について表にしたので、ユダヤ教の価値観と比較しつつ確認しましょう。

ユダヤイエス
重視

・厳しい宗教であるユダヤ教では律法(トーラーと呼ばれる)神様との約束があり、何百とあるその約束を守って生きて行かなければいけない。要はルール遵守

・イエス何言ってるの?法律守らないでどうするの?

・トーラーに従事するよりも大事なことがある

・法律が人の幸せには繋がっていない。

・差別されている人達や病気で苦しむ人達に人間として寄り添うことが法律よりも大事である

対応

・売春婦など法律を破っている人達は救われない。見捨てなくてはならない。

・避けなくてはいけない。接してはいけない

・神罰を受ける人であり、最後には救われない人であるという見なし方をする

・恵まれない人達や売春婦など差別されていた人達に優しい言葉をかけて語りかける

・被差別民に対して平等に優しくした

被差別民に対して優しくするイエスの行動は革命的であり、ユダヤ教では基本的には常識外れだった。

#34イエスは救世主になるつもりはなかった!?(13分)

ポイント

  • イエスの特徴は、彼の主張を誰も理解できていない事。ムハンマドや仏陀と明確な違いでもある。
  • イエスは弟子やユダヤ人から、メシア(救世主)として勝手に期待され、勝手に幻滅された結果、裏切られ処刑されている。
  • イエスは最後まで誰にも恨み言を言わず処刑され、自身の愛の話を体現して亡くなっている。
  • おそらく相当な良心の叱責を経験したであろう弟子達は、イエスの死後に凄まじい勢いで覚醒した

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イエスは誰にも理解されていなかった

既に述べたように、イエスは凄く優しくて色々なことを言っているけれど、実は彼が言っていることを誰も理解出来ていません。
これは、ムハンマドや仏陀との明確な違いでもあります。

仏陀の場合には弟子の中で彼の言っていることが理解されている。
一方で、イエスは主要な12人の弟子にすら理解されておらず、最終的にたった1年半位活動した後に政治犯としてローマ当局から逮捕される時には弟子に裏切られています。

一方的な期待、勝手な幻滅と裏切り

おそらくエイスの意図とは違うだろうけれど、彼はメシア(救世主)として捉えられており民衆から人気がありました。

では、当時のユダヤ人からしてメシアとは具体的にどういった人なのかというと、ローマ帝国の支配を脱してユダヤのイスラエル王国を再建する人。
要は、ローマの支配層を倒して新しく王になってくれる人だと思われており、イエスは民衆から勝手に期待されていたわけです。

しかし、イエスは最後まで何もしませんでした。
なので、民衆は失望し幻滅するわけです。

こうして、イエスは民衆から一方的に期待され勝手に幻滅された結果として裏切られて、最後は政治犯として捉えられ処刑されているわけです。

メシアという言葉の解釈について

上記では民衆からしたメシアの定義などについて触れました。

以下では、イエス自身がメシアという言葉をどう思っていたのかについて色々な解釈を見ていきます。

聖書の中で、彼は神の国はもうすぐ来るよという話をしている。
これは、一般的解釈からすると政権をとって新しいユダヤ人の王国を再建して本人か本人の周囲の誰かが王様になって、新しい国を作るという風にしか聞こえないはず。
そして、イエス自身もそういう風に解釈されるであろうことが分かるはずですが、それを明確に否定しません。

民衆の期待に対して、「私はそうではない」みたいなことは言うのだけれど明確に否定しない。意図は分からないけれど、明確な分かりやすい言語や表現を使わないわけです。
この想像を残す空白部分や余白があるからこそ、色々な解釈ができて22億人を魅了しているのではないだろうか。

以下、否定はするけれど具体的表現をせず、明確に否定しない点についての4つの解釈を紹介します。

解釈1
全員を魅了するため、意図的に解釈が色々できるようにして想像を残す空白部分を残した可能性。
完全に理解できてしまうと完結してしまい現実的過ぎてつまらなくなる。実際22億人を魅了している。
解釈2
本人は本当に神の国を再建しようとしており、具体的な事を言ってしまうと速く逮捕される可能性が高いため言えなかった。
要は、否定はしないけれど具体的にいうと速攻で逮捕されるので言わないという可能性。
解釈3
聖書が書かれた時期はユダヤがローマから弾圧されている時期なので、その時期に聖書表現として書くこと自体が憚られるような時代に著術されている。
要は、歴史から消されないギリギリのラインを攻めていた可能性。
解釈4
実は、イエスは自分が救世主ではないと明確に否定していた。
しかし、それを認めてしまうとキリスト教のロジックが弱くなるので逆にそこを捏造してぼやかした可能性。

以上、エイスが思うメシアとは何だったのかについては色々な解釈しかできないため、【結論】分かりません。

興味がある方は考えてみてはいかがでしょうか。

愛の話を体現したイエスと良心の叱責を感じたであろう弟子達

既に述べたように、イエスは弟子や民衆から一方的に期待され、勝手に失望されたあげく凄く残酷な処刑をされます。
しかし、彼は最後の最後まで恨み言を言わず自分が口でいっていた愛の話を体現して亡くなります。

イエスは自分を裏切った民衆達に対して、何も知らずに自分を虐げているだけだから許して下さいと祈りながら亡くなっている。
また、なぜ神様は私の事を見捨てたのだという記述があるけれど、これも解釈してくと恨み言を言っているわけではない。

まさに、イエスは愛に生きて亡くなった人だったわけです。

そして彼の死後、【シーズン1 吉田松陰】と同じようなことが発生します。
具体的には、裏切ったはずの弟子達が覚醒して遺志を継いで布教した結果キリスト教が生まれる。

なぜ、このようなことが起きたのか。
聖書の中では3日後にイエスは復活する。しかし、一般的には人体の蘇生には疑問を感じるので、生き返らなかったと想定した場合。
おそらく、弟子達は良心の叱責に耐えかね行動を起したのではないだろうかと考えられる。

【シーズン1 吉田松陰】でもありましたが、師匠が亡くなってから弟子が覚醒している。
例えば、現代でも親が亡くなったり病気になった瞬間に子どもが頑張り出すなど、両親に頼ってられないのだという所から突然覚醒するということもある。
もしかすると人間の精神には心に空いた穴を閉じるような、埋める様な仕組があるのかもしれない。

おそらくキリストの場合には、裏切ったけれど弟子達自身が心の底から尊敬していたイエスを見殺しにしたという良心の呵責がそこにはあったのではないだろうか。

#35 砂漠を架ける激アツ!教祖ムハンマド(約22分)

ポイント

  • ムハンマドはイエスと同様に普通の時間が長く、40歳位までは普通の商人だった。
  • 瞑想中に起きた天使ガブリエルからの啓示がイスラム教の始まりだと言われており、奥さんの支えが重要な役割を果していた。
  • ムハンマドは過去の積み重ねや血縁を大事にする従来の価値観を否定し、神の前では人間は皆平等であるという本質主義のような主張をする。
  • アラビア半島をイスラム教で統一しており、自身が生きている間に広めている。思想家でありながら政治的指導者として実務もこなす特徴的な教祖だった。
  • イスラム教はキリスト教と同じユダヤから派生しており、考え方には細かな違いが見られる。

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前回キリスト教について深掘りしました。

今回はイスラム教について、見ていきたいと思います。

まずは以下、基本情報から見ていきましょう。

イスラム教の教祖はムハンマドです。
キリスト教と同じようにユダヤから派生した宗教の1つで、時期としてはイエスが生まれた時から約600年位経った後で当時としては新しい新興宗教でした。

ムハンマドについて

ムハンマドは何者だったのかというと、元々は商人(ビジネスパーソン)でした。
イエスと同じように、商人として普通の人だった時期が長く40歳くらいまでは普通に生活しており、教祖としては遅咲きになります。

彼は早い段階で両親を亡くしており孤児でした。
そのため、コーランというイスラム教の聖典の中では幼児虐待に厳しいことが書かれているなど、幼い時の経験が反映されています。

以下、イスラム教の始まるきっかけについて見ていきましょう。

イスラム教のはじまり

40歳以降、ムハンマドは色々な経験により悩みが深くなり孤独を求める様になります。
具体的には、年齢を重ね世の中の事について考えたくなり、1人で瞑想したり山で修行したりする様になります。
今で例えるならば、おじさんがヨガやお寺通いを始めたような感じだったのかもしれません。

その時に、洞窟で埋葬していた時に天使ガブリエルから啓示を受けたのが、イスラム教の始まりと言われています。

天使から啓示を受けたというは色々な解釈があるのだけれど仮にそうだったとして、普通宗教者は啓示を受けると自信に満ち溢れポジティブな感情になるはずです、
しかし、面白いことにムハンマドは悪魔の囁きではないかと不安になってしまい、精神が不安定になってしまう。

彼は、血筋も家柄も良くてお金持ちの未亡人で40歳(15歳年上)美人女性と結婚しており、その方はイスラム教が立ち上がっていくのに凄く重要な役割を果した人になります。

具体的には、ムハンマドの瞑想の話を聞いてそれは神の啓示でだよという事を言って、奥さんとして精神的に不安定になっている旦那(ムハンマド)を勇気づけ支えてくれます。
そして、家柄が良くお金も持っていたのでスポンサーとしても支えてくれていました。
要は、イスラム教の最初の信者は奥さんだったわけです。

以上イスラム教の基本情報とその始まりを理解できた所で、
以下、どうしてイスラム教が広まっていったのかその時代背景をみ見ていきましょう。

時代背景

ベドウィンという遊牧民がいる砂漠(アラビア)が舞台です。『アラジン』という映画をご存じの方はイメージしやすいかもしれません。
砂漠の遊牧民(ベドウィン)彼らは、詩を読んだり酒を飲んだり、日本でいう平安時代のような世界で生きています。
要は、芸能を楽しむ豊かな精神世界で生きているわけです。

そして、彼らには相手部族を倒して金品や女性を奪うことが男としての株が上がるという価値観があったので戦争をしており、武士道のような所も持ち合わせていた。
要は、略奪・戦争・酒・女・文学が彼らの全てという世界で生きているわけです。

また、彼らは部族という血縁のファミリーを1番大事にするという特徴を持っていました。
要は遊牧民なので部族単位で移動しており、ファミリー以外の部族達は基本的には敵であり争って当然という価値観を持っていたわけです。

以下、彼らの価値観についてもう少し具体的に深掘りします。
既に述べた様に彼らは、生きている間(今の瞬間)を楽しむという価値観を持っている。

その一方で、死後の自分はどうなるのかという不安が心の奥底では眠っていたのではないかという研究があります。
要は、死後の世界を重要視しており、その不安を誤魔化す為に酒を飲み女と遊んで戦争をする。そうやって今でしか生きていないような価値観を形成しているという考え方です。

以下、キリスト教とイスラム教で比較しつつ、死後の世界についての考え方を表にしたので確認しましょう。

キリスト教イスラム教
死後の世界観

・大方針は同じ

・死後復活するまでの間は無

・1回きりの人生で輪廻転生の概念は無い

・死後一旦眠っていて最後の審判を受ける。

・最後の審判では復活して良いかダメかを判断される(良い人は苦しみの無い神の国に住める)(仏教でいう極楽浄土のような感じ)

従来の価値観とムハンマドの主張

既に述べたように輪廻の概念が無く、血縁や家柄の地位の優れが1つの価値基準になっていた。
要は従来の価値観では、部族ベースの血縁と過去の積み重ねを大事にしている。

これに対しムハンマドは過去の積み重ねや血縁を大事にする従来の価値観を否定し、神の前では人間は皆平等であるという本質主義のような主張をする。
具体的には、戦争して酒を飲み女と遊んでの一生ではダメだと、もっとちゃんと生きようという事をいったわけです。

そして、血縁の繋がりを大事にする部族を全否定する。
血縁は大事ではあるけれど、正しくは無い。血筋が繋がっているかどうか、高貴かどうかというのは過去に決まっており、既に決まっている過去により人の価値を決めるのはおかしい。

では人の価値は何により測るのかといえば、それは神に対する信仰心でしか測れないと言っているわけです。

以上が、彼の建てた宗教で本質主義的なことを主張している。
なので、他の部族とも一緒に同盟を組んだりするのだけれど、当時からすると部族が違うということは敵というのが常識の世界では理解して貰えず迫害を受けます。

迫害されてメディナで勢力拡大

ムハンマドはイスラムの聖地となっているメッカで説教しているのだけれど、迫害されメディナという都市へ移動してします。
そこでは、一神教を信じている人が多くキリスト教もそこに集団がいたので馴染みやすかった。そして、メディナで彼の勢力がどんどん拡大していきます。

力を付けていく毎に同盟を結ぶ部族と戦いを挑む部族がいる。
要は、信仰ををかけた戦争をするわけです。

そしてムハンマドは頭が良くて勝ち上がっていきます。
この時の言語禄、彼の残した言葉がコーランに整理されているのだけれど、日常生活や物事の考え方などルールが多い。

中国の始皇帝が成功した理由でもあるルールベースによる組織作り(シーズン5参照)
おそらくムハンマドはこれと同じ様なことをいたのではないだろうか。
こうした仕組作りや組織を動かす実務の才能があったため、戦争に勝ち続け最終的にはアラビア半島を全てイスラム教で統一します。

そして、戦争に勝ち続けて最後はメッカに凱旋します。
メッカにはカアバ神殿というのがあり、当時のメッカは多神教都市だったので数百体もの神様の偶像が置いてあるのですが、それを全部叩き壊して勝利宣言します。
要は、相当な価値転換を一代で成し遂げたわけです。

以上のことから分かるように、ムハンマドは教祖として自身が生きている間に広めている点でイエスや仏陀との違いが見られる。
精神世界だけで無く現実世界に対してもアプローチする力を持っていた。思想家であり政治的指導者としての実務もこなせたわけです。

イスラム教の特徴・キリスト教徒の比較、共通点

早速ですが、ここでは宗教、思想の中身についてキリスト教と比較しつつ見ていきましょう。

【宗教・思想の中身】
イスラム教はキリスト教と同じようにユダヤ教から派生しているので酷似する点が見られる。
具体的には、神様が厳しい点でキリスト教と共通している。一方で、イスラム教はグローバル宗教である。
要は、ユダヤ人だから助かるわけでは無く神様の前でひれ伏すならば皆が救われるという考え方である。

イスラム教ではイエス・キリストを人間(正確には預言者)であると見做しており、神とは見做していない点において明確な違いが見られる。
キリスト教においてイエスは三位一体である。神であり神の子でもあり。神と神の子と精霊が同じ存在であり、最後に出てきた神様の化身である
一方でイスラム教ではイエスが最後では無くてムハンマドも同列であるとされている。同列なのでイエスよりムハンマドの方が偉いというわけでは無い。

イエスは神の子であるという前提で成り立っている宗教に対して、イエスは神の子では無いし自身が最後の預言者であると言っている。
これでは存在全否定になってしまい、当時のキリスト教に喧嘩を売った形になります。

結果的には、彼は砂漠の民ベドウィン達とキリスト教に喧嘩を売っているけれど、それを認める人達が増えてきたということになります。

【考え方・方向性】
信者の方からすると語弊があるかもしれないが、愛を大事にする。良い人であろう、良く無いことはしないでおきましょう。というように大方の方針としては同じです
大方の方針は変わらないけれど、そのために具体的にはどのような生活を送るのかという所で細かく違いが見られます。
例えば、イスラム教では1日5回の礼拝や肉を食べる前の祈りなど形式・行動を踏むことで神の意に叶うという事があり、キリスト教よりも厳しい。
イスラム教と比較するとキリスト教は若干緩いけれど、一般的に一神教自体が厳しいので多神教と比較するとキリスト教も厳しい。

#36 美女500人との宴会より自己との対話・仏陀(約29分)

ポイント

  • 仏陀は何一つ不自由ない貴族の王子として生まれ、文武両道のエリートは期待のホープだった。
  • 仏陀は宗教者というより哲学チックなリアリストで、とても内向的な特徴を持つ教祖だった
  • 城壁の外には病人、老人、物乞いがいる現実世界が広がっていることを知り、物思いに耽け悩む。
  • 美女達との大宴会に虚しさを感じ、勝手に出家する。

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今回は我々日本人におそらく最も馴染み深いであろう仏教についてみていきます。

仏陀について

まず始めに、仏陀は何者だったかというと貴族の王子です。
イエスやムハンマドと比べると出自によるスタートラインに違いがみられます。

仏陀は釈迦と言われますが、これは彼がサーキャ族の王子だったからです。サーキャ=釈迦というわけです。

以下、記事を読み進めて頂くと分かることではありますが、彼は宗教者というより哲学者といった方が近いかもしれません。
具体例は以下で記していくけれど、この人は「神が~」という様な概念的なモノに置き換えずに、単純に自分と向き合うという様なことをずっと行います。
そして、内向的に自分と向き合い続けて最終的に精神をいかに安定させるかみたいな所について悟ったので、それを皆に広めて結果皆も悟って行くという感じです。

既に述べたように、仏陀は貴族で29歳までは王子として何不自由なく生活しており、英才教育も受け才能があり、武芸と勉強の両方ができる才能を持つエリートでした。
そんな期待のホープ仏陀は29歳でいきなり王宮を出て出家します。

以下、出家までの過程を見ていきましょう。

悩みルートに入ってしまい、出家願望が芽生える

紀元前600年(2600年前になります)イエスより600年前のインドで仏陀は王子という生活をしながら、城壁の外に出ます。
城壁の外には病人・老人・物乞いが居て、目も当てられないような全く違う世界が広がっていました。

元々哲学者タイプで頭が良かった彼はこうした現実の世を知ってムハンマドの様に悩み、物思いに耽てします。
「外の世界の人との差異は何だろう?生きるとは何だろう?いずれは自分も死ぬだろう…」色々考えて悩み。
結果、この悩みを考え続け解決するために出家したくなってしまうわけです。

当時は貴族の間で出家が流行っており、仏陀だけが特別なわけでは無かった。
しかし、彼は王子なので父や後継など全員から反対されます。
ちなみに、彼には束縛者という意味があるラーフラという名前の息子がいます。

以上の様に出家を止められている状態で、ある日に500人位の美女達と24時間踊り狂う大宴会が行われる。
宴会終了後、皆が寝ている間に仏陀は1人目が覚めたそうです。
この時、皆が寝ている風景を見て虚しくなったらしく勝手に出家します。

仏陀は修行界でもスーパーエリートだった

仏陀は虚しさから城を出て、頭を剃り、服を脱ぎ捨てて汚い布に着替えて修行期間に入ります。
期間としては29~35歳の間で、5~6年間修行します。

当時の修行には大きく分けて、瞑想・苦行の2つがあり、彼はどちらも極めていって悟りを開きます。

以下、修行について表にまとめたので確認しましょう。

瞑想苦行

・当時における瞑想の権威者(師匠)の所に弟子入りしたら1週間~数ヶ月で師匠を超える。

・師匠が教えることが無くなり立場が逆転する

・瞑想は悟りでは無いと感じて苦行ルートへ

・苦行ルート後に瞑想ルートに戻り、普通の瞑想の中でついに悟る。

・徐々に食事の量を減らす断食では最終的に1日米1粒とゴマ1粒で生きる

・風呂トイレに行かず1箇所から動かない。直射日光に当る。限界まで息を止める。寝ない…

・誰よりも苦行をしたという自信がある位に苦行をした結果苦行ではどれだけやっても悟りは開けないことを悟り、瞑想ルートへ

上記の修行を通じて最終的に悟りに達します。では、そもそも「悟る」とは何ぞ?という話になると思うので以下を参考にどうぞ。

人により解釈は異なると思うがおそらく、
「人間の持つ色々な苦しみを超えて精神を安定させることが時や場所に左右されずにできる様になった状態。そしてそれを体系的に理解できている状態」ではないだろうか。
要は「どんな事があっても常に安定した精神状態になる」ということ。

①理解すること。知ること。また、気づくこと。感づくこと。察知。

②〔仏〕まよいが解けて真理を会得すること。

バラモン教の否定と仏陀の主張

悟りを開いた彼はイエスやムハンマドと同じように、バラモン教という当時インドにあった古代宗教を否定していくことになります。

まずは、バラモン教の特徴について触れておくと、バラモンというのは神官のことで、いわゆる聖職者のことです。
バラモン・クシャトリア・バイシャ・シュードラというのがあり、バラモンがカーストのトップです。
要は、既得権益です。バラモンが世界を牛耳っており汚職が横行している状態。

これに対して仏陀は、見せかけの階級など層でも良いのでその人本人の精神がどこまで高まっているかどうか、それが最も大切でありこれしか大切ではないと言う話をしている。

身の周りにある制度ではなく本質を見て自分で決めろという意味では、イエスやムハンマドと共通の価値観を主張している。
一方で、一神教ではない仏陀の話には創造主である神が出てこないという明確な違いが見られる。

彼は35歳で悟り45年間説法するのですが、悟った当初は他の人には理解出来ないだろうと思っていたそうです。
教えるかどうか迷っていが、シェアの精神で伝える決意をする。
すると、意外と伝わった。
そして、弟子が10人位いて彼らの中にも悟ったという人がいる。ちなみに、弟子の中には息子ラーフラ(束縛者)も居ます。

彼の説法に感銘を受けた王様が聞きに来る。彼らは出家は出来ないけれど、在家といって出家せずに帰依するような状態になっていきます。
また、お金持ちにも尊敬されていて僧の為の宿舎、・宿泊施設となる祇園精舎をお金持ち達が寄付したりしています。

彼の説法は哲学的で分かりやすく、ちゃんと書かれているそうです。

以下、その具体的中身について見ていきましょう。

執着はNG、ナチュラルでいよう

まず始めに彼は、人間を苦しめているモノは何かという事を考えます。
そして、それは「執着」だそうです。
要は、物です。物質に対して執着があるということが人間を苦しめる全ての根源になっている。

例えば、車が欲しい・家が欲しい。というのはそれが手に入らないから辛いわけです。
他にも、お金が欲しい・良い暮らしがしたい・美人と結婚したい。などこれらは全て執着から生まれる欲望であり、執着さえなければそういう願望も無いので心やすらかになれるはずだという考え方がまずあります。

とはいえ、彼は執着しないのは良いけれど、しなさすぎるような極端にどちらかに振り切るのも良く無いとも言っている。
要は、どれにもとらわれていない状態。どちらにも偏執していないナチュラルな精神状態を作ることが大切である。ちょうど良いが大事というわけです。

彼は、高い・低いといった様な尺度の価値観ではなくて、それが自分にとってちょうど良い状態というのを言っているのではないだろうか。
だから、執着というモノはどこかに偏執している状態のこと呼んでいて、ちょうど良くない所を目指すような精神状態に寄っている。
そして、それが苦しみを生み出しているということではないだろうかと思います。

仏陀は「執着に関する事」と、もう1つ「無常」という考え方を唱えています。

以下、具体的に見ていきましょう。

無情という考え方

無常とは仏教用語で、「永遠に続くものなんて1つも無いのだ」という考え方になります。
例えば、「既に持っている財産を失うのが怖いです」というのは仏陀からすると財産を持っているのはそもそも勘違いであるという感覚です。
要は、今この瞬間がそうなのであって、それが永遠に続くと思っているのかもしれないけれど、人間はいつか死ぬので持ち続けることはできない。
なのにそこに対してずっと執着するのは実態が無いものに対して執着している状態である。

だから、それには意味など無く、むしろ苦しみを生むモノであって無駄に心を痛めつけている。
要は、本当の世界はどうなっているのかというと、全部が永遠では無いので流れている状態である。その流れている状態の中で何にも執着しない状態を保てば基本的には苦しい事というのはだいぶ無くなるよというお話。

別の表現で説明するならば、
過去や状況から自分を切り離すというイメージです。
例えば、生まれがどうかというのは、過去であり状況である。そしてそれは本来の自分という人間とは関係無いモノである。という事。

以上の様なことを彼は言っているのですが、一方でバラモン教を全面否定しているわけではなくて輪廻転生など考え方を踏襲していたりもします。

以下、死後の世界についてはどのように捉えていたのかについて見ていきましょう。

死生観について

仏陀は、「死後の世界は比較的どうでもいい」と言っており、いわゆる極楽浄土というのは後世の産物です。
要は、彼が言うには現世の世で解説出来る。つまり、死後の事なんて考えたって分からない。想像してもそれが正しいかどうか分からないので考えるのは辞めて、現世の今この瞬間の方を大事にしなさいというわけです。

以上のことから分かるように、キリスト教やイスラム校とは救いの意味が明確に違っていて、初期仏教の仏陀に関してはそこに神秘的な力や霊力、魔法は働きません。自分が悟るか悟らないかという話になります。
彼は宗教者というよりリアリストで哲学者っぽいわけです。

しかし、後世の伝説では生まれた瞬間に7歩歩いたり、天上天下唯我独尊と叫んだり、極楽浄土など色々あるわけです。
これはおそらく、後世の人達は仏陀レベルまで悟りに至れ無かったため、死後の世界を想定することでロジックをつけて心の安定を図ろうとしたのではないだろうか。
要は、天国があるとした方が都合が良かったわけです。

例えば、仏陀だったら死後は人間の骨がそのまま土に解けたら良いという感じかもしれないけれど、一般人では骨は土に帰ったけれどその人はどこに行ったのかとう風な考え方から簡単には抜け出せないわけです。
つまり、物は物でしかないはずなのに、そこに過去のストーリーがあったり死後の世界を生み出したというのは後世の人達にとっての欲であり執着だったのでしょう。どうしても自分達が解釈できるようなモノが欲しかったのかもしれません。

異質な仏陀・自己満足と悟り

仏陀は45年間ずっと悟りを教えてスピーチしているのですが、彼が何のために悟りを伝えているのかについては残っておらず分かりません。正確には残っているけれどレジェンドすぎて信じられないそうです。

以下、歴史ギークであるパーソナリティの方々による想像、見解となります。見ていきましょう。

そもそも城を出て行った時には、満ち足りた状態で幸福を感じられ無かったからでていったのではないだろうか。
現代で例えると、仕事などで成功して大金を稼いだ際にお金では満足出来なくなる。要は満ち足りた状態になったためにお金はそれ以上いらないので、次のステップに進もうとする。というような感じ。

仏陀の場合には、特に不自由なく生活し、生まれも良くて文武両道のエリートで全部出来るので、モチベーションがどこかというと、自分に向いていた。
そして、彼は完全にベクトルが自己に向いていて、社会活動もスピーチ以外に殆どしていない。意識が外に向いておらず、悟る過程をみても社会活動をしておらず、他者との関わりの中で失敗するなどの経験を一切せずに、瞑想で悟っている。

これは、外に出て色々な経験をした方が良いという今の世界では中々無い概念であり、興味深い。
仏陀はそんな事を考えておらす、たまたま自分の満足の為にやったら、たまたま悟った。
そして、旨い飯を喰ったらシェアするような感覚で、せっかく悟ったので聞く?というような感じだったのかもしれない。
当然想像でしかないのだけれど、インプットが極端に少ない状況でそれだけ言語化できている才能など常人離れしており異質だと感じる。

過去の社会的活動をしている人達よりも圧倒的に影響が大きい彼の実績は、影響度という尺度から見て考えた時、社会活動に実は意味が無いのでは無いかということを物語っている。

#37 宗教王に、俺はなる!(約22分)

ポイント

  • 「宗教」という概念は近代にできたモノである。
  • 科学と宗教が対義語として使われていたのは18~19世紀、20世紀以降も対義語として使われているが薄れつつある。
  • ルネサンス以降の錬金術が出てきた流れから原子や進化の話をするためのラベリングとして、宗教というレッテルが登場した。
  • 人は答えの無い状況で大事な事を決断して突き進まなければならない時に、特定の宗教を信仰している人の方が力を発揮しやすいが、一つの信仰に身を投げ入れることが難しいタイプの人もいる。
  • もしも宗教を創るなら「半歩踏み出せ教」「生きていればいい教」「髪の毛みんな剃ったらいい教」

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ここまでは世界三大宗教についてそれぞれ見てきました。

以下では、我々人間がどうしてここまで宗教を必要とするのか、こんなにも科学が発達しているのにどうして神を信じているのか。といった所をみていきます。

近代にできた宗教という概念と、対義語として使われる科学について

まず始めに、ここまで宗教という言葉を扱っているけれどこの概念自体が近代のモノであり、中世では宗教という言葉を使ってないし概念も有りません。
要は、当時キリスト教やイスラム教というモノはあったけれど、それらを総称して「宗教」と呼ぶ概念が無い。

そして、近代の概念である宗教の対義語としての科学もそれまでは当然有りません。
宗教が科学の対義語として使われていたのは18~19世紀頃、20世紀以降も使われているけれどだいぶ薄れてきている。

もう少し具体的に見ていきましょう。
宗教というレッテルを貼るようになるのは、錬金術の流れが関係しています。
ルネッサンス以降の錬金術が出てきた時に全部神様が創りましたという説明をしてしまうと、原子や進化についての説明が難しくなってしまう。
なので、「宗教ではそう言っているけれど、それはいったん置いといて本当はどうなっているのかな」という思考に突入しないと進まない領域に辿りついたわけです。

そのときのラベリングとして「宗教」というモノが出てきた。
なので、宗教の対象というのは主にキリスト教であり、進化論と対比されて争ったわけです。

要は、「神様が創った」「ビックバンで出来た」では本質的な差が大きくあるけれど、それについての説明を誰の文化やロジックで説明するかという言い方の差でしか無い。
つまり、科学とは検証可能なことで論理的に積み立てるモノであり、目に見えるモノやデータというモノを信じる宗教であるという考え方であり、全部宗教であるとも言える。
例えば、ビックバンが神様であると言えばそれはそれで宗教なわけです。なぜなら誰もビックバンを見ていないのだから。

ビックバンより、身近な出来事で例えると、
「夜中に口笛を吹くと蛇が出る」「おなかを出して寝ると雷様にへそを取られる」
これらは、分かりやすいのではないだろうか。
要は「夜中に騒がれると迷惑だから」「おなかを出して寝ると寒いし健康に悪いから」というのを、子どもに説明して理解を求めるよりも、ビビらせて自発的に行動を促した方が早いからです。

では、もう少し複雑な出来事ならどうだろうか。
「人に良い事をすると自分に返ってくる」
これをロジカルに説明しようとすると、人間は自分にとって恩を感じるとやらざるを得ないという、心理学における反報性の原理という働きによる現象だそうです。
しかし、これらを合理的、論理的に全て説明及び理解が出来る人ばかりでは無いので、神様が言ったという事にすることで説明している。

既に述べているけれど、結局は本質的な差が大きくあるけれど、それについての説明を誰の文化やロジックで説明するかという言い方の差であるということ。
なので、宗教の対義語として科学というのが使われたりすることがあるけれど、実は対義語ではないのだよというお話。

そもそも宗教とは何か

そもそも宗教とは何かについて。結論からいうと宗教とはただの言葉の定義であると思われる。
以下、具体的に見ていきましょう。

例えば儒教。これは宗教かどうかについて未だに論争で分かれているそうです。
なぜなら、儒教は孔子の言語録、教育論のようなものでありそこに神様はいない。そしてそれを宗教と呼んでいいのかという議論もある。

既に述べているように、宗教は近代の概念なので、個別ケースで考えていなかった。
要は、儒教と考えることはあっても、儒教国の人が宗教について考える事は無かったわけです。
なので、最近の例でいうとスピリチュアルなども言い分けている時点で宗教ではないと思われているので、それが宗教なのかどうかは微妙です。

他にも、私達が宗教と聞いてイメージするのはキリスト教やイスラム教といった一神教を想像する人が多いのではないでしょうか。
それは、宗教という概念が出来たのは一神教が広まった後なので一神教を指している事の方が多い為です。

しかし、既に述べているように元々は多神教の方が多く、今の宗教と呼ばれている私達が想像するモノは元々少数派(マイノリティ)であり中世以降に広まった一派を宗教という概念で呼んでいる。
もちろん多神教も宗教なのだろうけれど、一般的に神様がいて彼らが創ったという概念では一神教としての概念の方が強いのではないだろうか

なぜ宗教は必要なのか

宗教がただの言葉の定義であるとして、ではなぜそれが必要なのかという所を見ていきましょう。
結論からいうと、宗教ではなくて当たり前の文化だったのではないだろうか。
要は、宗教という概念自体が無い人達が持っていた概念なのでそれはつまり生活なわけです。

今の生活の一部になっているものを無理矢理取り出してきて、それはなぜ必要なのですか?と問う事と同じです。
例えば、あなたが椅子に座る所作に対して誰かが突然「なんでそれしてるの?」と言われても困るわけです。

宗教という言葉というよりは、自分の生活の拠り所を明確にイメージ出来るところに必要性がある。
以下、具体的に見ていきましょう。

答えの無い状況で大事な事を決断して突き進まなければならない時に、特定の宗教を信仰している人は力を発揮しやすい

人には人生の中で正しさや明確な答えのようなモノが分からないけれど、選択を迫られ自分で決断して進まなければならない時がある。
この時、宗教というのは全部自分を信じることに投げ出すという行為なので、特定宗教を信仰している状態の方が信じて突き進む力に対してエネルギーを出しやすく持続もさせやすい。
一方で、1つの信仰に身を投げ入れることが難しいタイプの人がいる。

後者のタイプの場合には、基本的には自分の判断が軸になるので熱心な信者と比較するとブレやすく突き進む力が弱いのではないだろうか。
なぜなら、経験値が数十年という1人の人生は短く、その経験の中で自分より凄い人を知ってしまい比較してしまうからです。
これに対して、イエス・ムハンマド・仏陀、彼らの考え方というのは、既にある程度の検証実験がされ評価されているから現在も残っているモノであるという信頼性というかお墨付きがあるというか強いわけです。

人生の選択の中で、何が正しいか分からない中でやって見ないと分からない状況の中では、決断して突き進むことが大事であり、正しさというのは後から結果としてついてくるという考え方の中では、信仰心が強く特定の宗教を信じて突き進める人というのはある意味で今の世の中にマッチしており力を発揮できる人なのではないだろうか。
一方で、特定の信仰を持たないタイプというのは、ある意味で思考停止して突き進むというリスクを感じ取り、宗教をメンターとして捉えるなど俗人的な所で保ち、バランス良く生きていくことに長けているのではないだろうか。

例えるならば、熱心な信者というのはAppleのようなイメージでハードからソフトまで一貫されたルールがあるので分かりやすい。
一方でモジュール型の人は、教祖達の言葉から教科書のようにいいとこ取りして自由にカスタマイズするというイメージです。

もしも宗教を創るなら

おまけ企画です。
もし、パーソナリティの3人が宗教を創るとしたらどんな宗教を創るのか、好き勝手にお話する企画となります。

樋口さん

半歩踏み出せ教

深井さん

生きていれば良い教

楊睿之さん

全員頭を剃ればいい教

気になる方は以下YouTuberからどうぞ(14分~)

#38 宗教体験アンビリーバボー!~私たちが接した「宗教」たち~(約22分)

ポイント

  • 神の声を聞けるという人
  • 多次元説、今生きているのが前世?!
  • 仕事仲間の降霊と経営判断
  • 実家へ帰ると自室に知らないお坊さんが無言で鎮座していた
  • 意識するしないは別にして習慣として身に付き生活している部分があり、無宗教と言いつつ宗教の中で生きているのかもしれない。
  • 宗教は制度や生活と密接に関わっていて神様に対する信仰心だけでは語れない領域がたくさん混ざっている

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おまけ企画のコーナー。
パーソナリティの3人が宗教に接した体験や宗教観、宗教的な活動体験について語って頂いてます。

気になる方は以下YouTuberでどうぞ

タカオVer.

当ブログ記事を見て頂いているあなただけに、特別に僕が宗教に接した体験談や宗教観について書いてみようと思います。

【宗教に接した体験】
僕の宗教との接触は小学生の頃です。
派閥などは不明だけれど親が信じている所に、当時は小さかったので留守番するよりは連れてかれるという感じでした。
そこでは大人達が正座で向かい合い一人は目を閉じ合掌し、もう一人が相手の顙に手をかざすという光景が広がっていました。
当時の僕は何がおきているのか、どういう意味があるかなど全く理解できず、信者の熱量や自身の無知さから恐怖したのを覚えています。

恐怖を感じた僕は信者の方々からは距離を取りたかったけれど、当時の自分の価値観からすると異常に見えた状況が何なのか、なぜそうなっているのか。
興味半分、身を守る為に知る半分という気持ちで調べている様子が相手には熱心に評価されてしまいました。

結果、数日間の講義に参加させられてしまい、お守の様なアイテムを授かり信者側のポジションに付かされてしまった。
当然、当時の自分は恐怖から始まっているので活動は一切していないけれど、これが僕の宗教と接した体験になります。

【宗教観】
僕の宗教観について書いてみます。

誤解を恐れずにいうならば、僕は宗教を積極的には肯定していません。
しかし、科学的根拠が無いからと全否定するわけでも無い。
要は、今の科学や知識技術では根拠が示せないだけ、或いは根拠を示せるが自分の知識不足で即答できない状態なだけである。という考え方、とらえ方をしています。
なので、積極的に肯定はしないけれど考え方は聞くようにしている状態です。

思考のプロセスという点では興味があるので信者を否定はしないけれど、そこに勧誘などが絡むと嫌悪感がある状態です。
要するに、演目を舞台の役者として参加するのではなくて、客席から一方的に見ていたいイメージなわけです。

あとがき、感想

最後までご覧頂きありがとうございます。

デリケート過ぎて、迂闊には語られる機会が少ない宗教について、世界三大宗教(キリスト教・イスラム教・仏教)を軸に学んできましたがいかがだったでしょうか。
ここまで読んでいただき学んだ上で改めて、一筋縄では理解出来ない非常に難しいテーマであったことが分かっていただけたのではないでしょうか。

習慣として身に付いている部分など、神様に対する信仰心の有無だけでは語れない領域が混ざっていて、興味深く面白かったと思います。

エピソード#37でも述べましたが、人生において正しさが分からない状況の中でも私達は選択を迫られ自分で決断していかなくてはならない。
そんな時には前シーズンの諸葛孔明のように自分の美学信念を信じて貫いたり三大宗教のお墨付きを利用したり、考え方や方法、あなたは何を信じるのか、色々な選択肢がある中で最適解を出すための力になれば良いなと思います。

参考文献

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一神教の起源:旧約聖書の「神」はどこから来たのか』(筑摩選書)

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ユダヤ人とユダヤ教』(岩波新書)

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イエスの生涯 改版』(新潮文庫)

イスラーム文化』(岩波文庫)

イスラーム生誕』(中公文庫)

物語エルサレムの歴史-旧約聖書以前からパレスチナ和平まで』(中公新書)

図解聖書』(歴史が面白いシリーズ!)

図解ブッダの教え』(歴史が面白いシリーズ!)

全世界史』(講義1 古代・中世編)

釈迦とイエス』(新潮選書)

人類5000年史1紀元前の世界』(ちくま新書)

遠藤周作で読むイエスと十二人の弟子』(とんぼの本)

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マホメット』(講談社学術文庫)

ブッダのことば』(岩波文庫)

使徒パウロ-伝道にかけた生涯』(NHKブックス)

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ビジネスパーソンのための教養としての世界三大宗教

バウッダ「佛教」』(講談社学術文庫)

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コーラン 改版 上』(岩波文庫)

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コーラン 改版 下』(岩波文庫)

キリスト教史』(講談社学術文庫)

キリストの誕生 改版』(新潮文庫)

イスラームの論理』(筑摩選書)

イスラームの歴史』(中公新書)

イエス・キリストの生涯』(講談社文庫)

世にも美しい教養講義超図解・宗教

参照先へhttps://www.valuebooks.jp/shelf-items/folder/6a9944a9aafa4f6

最後に

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最後にメルギブソン監督の『パッション』という映画を紹介します。
これはイエスの受難、処刑が描かれている作品なので、エピソード#33キリスト教をより深く考えたい方はどうぞ。
※ただし、映像で忠実に再現されており、残酷で痛く恐ろしい内容となっているそうです。苦手な方がいるかもなので覚悟のある方のみ視聴した方が良いかもです。

出演者全員のセリフは、全編アラム語とラテン語となっており、ギブソンの意向で日本語吹替版及び各国の吹き替え版は一切制作されていない。また字幕の表示箇所も監督の意向であらかじめ指定されている。

Wikipediaより

パッション』に興味がある方はこちら

https://amzn.to/42A0TUZ

以下、本編動画を添付しておくので気になる方はどうぞ。

シーズン毎にテキストでまとめているので気になる方はコチラをどうぞ

♦シーズン1 吉田松陰♦
♦シーズン2 スパルタ♦
♦シーズン3 コミュニケーション史♦
♦シーズン4 天皇♦
♦シーズン5 キングダムSP 秦の始皇帝♦
♦シーズン6 諸葛孔明♦
♦シーズン8 ヒトラー♦
♦シーズン9 フランス革命♦
♦シーズン10 ガンディー♦
♦シーズン11 アレクサンドロス大王♦
♦シーズン12 お金♦
♦シーズン13 三蔵法師・玄奘♦
♦シーズン14 高杉晋作♦

おすすめの映画作品の紹介記事があります。気になる方は以下からどうぞ
♦【コテンラジオ好きへ】おすすめの映画を紹介♦

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